固定資産評価額と路線価の違いとは?
~不動産の「公的な価格」にも種類があります~
不動産の価格には、実はいくつもの種類があるのをご存じですか?
中でもよく聞く「固定資産評価額」と「路線価」は、どちらも公的な価格ですが、使い道や計算方法が異なります。
■ 固定資産評価額とは?
市区町村が、土地や建物にかかる固定資産税を計算するために設定した価格です。
【特徴】
- 3年に一度見直し
- 評価基準は市区町村によって決まる
- 通常、実際の売買価格の7割前後
【主な用途】
- 固定資産税の計算
- 相続登記・贈与登記(登録免許税の算出)
■ 路線価とは?
国税庁が公表している、相続税や贈与税を計算するための価格です。
市街地の道路に面した土地1㎡あたりの価格が「路線」にそって定められています。
【特徴】
- 毎年7月頃に公表
- 国が定めた基準
- 通常、実勢価格の8割程度
【主な用途】
- 相続税・贈与税の計算
- 税務調査や財産評価
■ 比較してみると?
項目 | 固定資産評価額 | 路線価 |
---|---|---|
主な用途 | 登記・固定資産税 | 相続税・贈与税 |
公表元 | 市区町村 | 国税庁 |
評価の頻度 | 3年に1度 | 毎年 |
価格の目安 | 実勢価格の7割 | 実勢価格の8割 |
■ どちらを使えばいいの?
使う目的によって異なります。
- 登記や市役所の手続き → 固定資産評価額
- 相続税・贈与税の申告 → 路線価
相続や不動産手続きの場面では、両方を理解しておくと安心です。
■ まとめ
「固定資産評価額」と「路線価」は、似ているようで実は役割がまったく違う公的価格です。
どちらの価格を使うべきか迷う場合や、評価額が正しいか気になるときは、行政書士や税理士など専門家にご相談ください。
