成年後見制度とは?
~制度の流れと申立て手続き~
高齢や病気、認知症などにより判断能力が低下した方を法的に支える仕組みが「成年後見制度」です。
財産管理や契約など、本人の利益を守るために家庭裁判所が後見人を選任し、生活を支援します。
ここでは、制度の概要から申立ての流れまでをわかりやすく解説します。
■ 成年後見制度とは?
判断能力が不十分な方に代わって、またはサポートする形で次のような支援を行う制度です。
- 財産の管理(預貯金・不動産など)
- 契約の手続き(介護サービス・施設入所など)
- 生活や医療に関する意思決定の補助
■ 制度の3つのタイプ
区分 | 対象となる人 | 選ばれる支援者 | 特徴 |
---|---|---|---|
成年後見 | 判断能力がほとんどない人 | 成年後見人 | 原則すべてを代理 |
保佐(ほさ) | 判断能力が著しく不十分な人 | 保佐人 | 重要な契約などを代理・同意 |
補助(ほじょ) | 判断能力が一部不十分な人 | 補助人 | 本人の同意がある範囲でサポート |
■ 申立ての流れ(家庭裁判所での手続き)
- 申立て人の決定
配偶者、子、兄弟姉妹などの親族、または市町村長が申立てを行います。 - 必要書類の準備
申立書、本人の診断書、財産目録、収支予定表、親族関係図などが必要です。 - 家庭裁判所への申立て
本人の住所地を管轄する家庭裁判所へ申請書を提出します。 - 裁判所の審理・調査
家庭裁判所が、本人や親族に事情を聞いたり、必要に応じて医師や調査官が調査します。 - 後見人等の選任と開始決定
裁判所が適任者(親族、弁護士、司法書士など)を選任し、制度がスタートします。
■ 申立てにかかる費用(目安)
- 印紙代・郵券代:数千円
- 診断書作成料:5,000~10,000円程度
- 鑑定料(必要な場合):5万~10万円前後
※財産や事情により異なります。
■ よくあるご質問
Q:申立ては自分でできますか?
→ 可能ですが、書類が多く手続きが煩雑です。
不安な場合は行政書士や司法書士などの専門家への依頼がおすすめです。
Q:後見人は誰でもなれますか?
→ 原則、親族が優先されますが、適任者がいない場合は専門職(弁護士・司法書士など)が選任されます。
■ まとめ
成年後見制度は、大切なご家族の生活と財産を守るための制度です。
ご本人の意思を尊重しながら、必要な支援を受けられるよう、早めのご相談をおすすめします。
当事務所では、申立て書類の作成支援や制度のご説明も承っております。
どうぞお気軽にご相談ください
