【もしもシリーズ⑤】事業承継と遺言 ~事業の未来を守る遺言書~
事業を経営している方にとって、会社やお店の将来は最も大きな関心事です。
「自分が亡くなった後、事業はどうなるのか?」
「後継者が決まっていない、あるいは誰に引き継がせるべきか悩んでいる」
事業承継の問題は、経営者だけでなくその家族や従業員にとっても大きな問題です。
今回は、遺言書を活用して事業承継をスムーズに行うための方法について解説します。
1. もしも、事業承継の後継者を決めかねている場合は?
【よくある事例】
経営者が後継者に選ぶべき人物を決めかねているが、遺言書でその決定をしておきたい。
【遺言がない場合】
→ 事業承継の際に後継者を決められないと、親族間で争いが生じたり、法定相続人全員の合意が必要になり、承継がスムーズに進まない可能性があります。
後継者を明確にしておかないと、事業が途切れてしまう危険もあります。
【遺言があれば】
→ 後継者を明確に指定することができます。
さらに、後継者への権利や義務、責任をしっかりと明記することで、経営をスムーズに引き継ぐことができ、トラブルを防ぐことができます。
2. もしも、後継者が複数いる場合は?
【よくある事例】
子どもや親族に複数の後継者候補がいるが、誰に事業を引き継がせるべきか迷っている。
【遺言がない場合】
→ 複数の候補者がいる場合、事業承継を巡って争いが発生することがあります。
特に、経営のスキルや経験に差がある場合、後継者間で意見が食い違う可能性が高いです。
【遺言があれば】
→ 遺言書で後継者を決定することで、誰が事業を引き継ぐのかが明確になります。
また、引き継ぎの条件や段階を具体的に書き込むことができるため、後継者間でのトラブルを未然に防ぐことができます。
3. もしも、後継者が経営に関心がない場合は?
【よくある事例】
後継者に選んだ人物が実は経営に関心がなく、事業を引き継ぐ意思がない場合。
【遺言がない場合】
→ もし事業承継を強制しようとしても、後継者が承諾しなければ、事業が立ち行かなくなり、最悪の場合は廃業せざるを得なくなります。
【遺言があれば】
→ 後継者の選定を明確にするだけでなく、その後継者が事業を引き継がなければならない場合の条件や、事業承継の具体的な方法を遺言で示すことができます。
例えば、引き継ぐべき経営戦略や、経営に対する心構えを事前に伝えることができます。
4. もしも、事業を他の親族に売却する場合は?
【よくある事例】
後継者が決まらない場合、事業を外部の人に売却したいが、親族がどう思うか不安。
【遺言がない場合】
→ 事業の売却を行う際に、親族や後継者から異論が出る可能性が高いです。特に事業の価値を巡って相続人同士で争いが起きることも考えられます。
【遺言があれば】
→ 事業売却の意思を遺言書で記しておくことで、売却後の分配方法や、親族間の争いを予防することができます。
また、売却後の財産分けについても明記することができ、相続人間でのトラブルを回避できます。
5. もしも、事業承継後のトラブルが起こることを予測している場合は?
【よくある事例】
事業承継後、従業員や取引先、株主など、事業に関わる人々との関係に問題が生じるのではないかと心配している。
【遺言がない場合】
→ 事業承継後にトラブルが発生すると、事業の経営が困難になり、最終的には倒産する危険性も高まります。
また、従業員や取引先との契約内容などを整理しないと、事業継続が困難になることもあります。
【遺言があれば】
→ 事業承継後の方針を明確にして、従業員や取引先に対する配慮や、経営方針を伝えることができます。
これにより、承継後の混乱を防ぎ、事業が順調に引き継がれるようサポートできます。
6. まとめ
事業承継は経営者にとって非常に重要な問題であり、遺言書を活用することでスムーズに進めることができます。
後継者の選定や、事業を誰に引き継ぐかを明確にすることで、事業が順調に続くことを保証することができます。
また、事業承継後のトラブルや親族間の争いを防ぐためにも、遺言書での指示は非常に効果的です。
遺言書で事業承継の計画をしっかりと残すことが、事業の未来を守るために重要な一歩です。
💬 事業承継に関する遺言書作成のサポートを行っています。お悩みやご相談があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
