古物商の営業所要件をクリアする方法
── 事務所の独立性・標識掲示・防犯対策の具体ポイント
古物商許可を取得するためには、営業所が法律で定める要件を満たしている必要があります。特に「事務所の独立性」「標識(許可票)の掲示」「防犯対策」は審査で必ずチェックされる重要ポイントです。本記事では、それぞれの要件をクリアする具体的な方法を解説します。
1. 事務所の独立性を担保する
要件
- 他業種と明確に区画された専用スペースであること
- 営業所として届出た場所でのみ古物商業を行う
具体策
- 専用の間仕切り設置
- 住居兼用の場合でも、事務スペースを壁やロールスクリーンで区切り、来客用スペースと管理スペースを明確に分ける。
- 賃貸契約書の名称・用途明記
- 賃貸借契約書に「事務所利用可」「古物商営業所として使用」など用途を明示。オーナーと合意を書面で残す。
- 独立した出入口の確保
- 可能であれば事務所専用の扉・出入口を用意し、住居エリアと動線を分離。
2. 標識(許可票)の正しい掲示
要件
- 事務所入口の見やすい位置に「古物商許可票」を掲示
- 許可番号・氏名(法人名)・「東京都公安委員会許可」等の文言を表示
具体策
- 法定サイズ・書式の遵守
- 許可票は横20cm×縦15cm以上。文字は黒色、背景白色で作成。
- 屋外用プレートの発注
- 耐候性のあるアルミ複合板や樹脂製プレートを専門業者へ依頼。雨風・紫外線に強いものを選ぶ。
- 固定方法
- ビス留めまたは強力両面テープでしっかり固定。簡単に外れないようにし、常に見える位置を維持。
3. 防犯対策で盗品流通リスクを低減
要件
- 盗難品混入を防ぐため、営業所に適切な防犯体制を整備
- 帳簿・受領書の保存義務とあわせ、物品管理の信頼性を担保
具体策
- 監視カメラの設置
- 出入口・商品保管エリアに録画機能付きカメラを設置。録画データは最低3ヶ月保管。
- 入退室管理
- 鍵付きの倉庫・ショーケースを導入。従業員以外の立ち入りを制限。
- 帳簿・受領書の電子管理
- 取引ごとに受領書を発行し、電子スキャンしてクラウド保存。いつでも照合可能な状態を維持。
- 警報装置・センサーライト
- 夜間の無人時間帯に備え、モーションセンサー連動のライトや警報装置を導入。
4. 事前チェックリスト
チェック項目 | 確認方法 |
---|---|
事務所スペースが他業種と完全区画 | 現地写真・間取り図で明示 |
賃貸契約書に「事務所利用可」記載 | 契約書原本を確認 |
許可票のサイズ・文言が法定通り | プレート現物を法令要件と照合 |
監視カメラの稼働状況 | 録画映像の定期チェック |
受領書・帳簿の保管場所・形式 | クラウドフォルダ構造・バックアップ状況確認 |
5. まとめ
- 独立性:明確な区画と契約書で証明
- 標識掲示:法定書式で速やかに掲示
- 防犯体制:カメラ・入退室管理・帳簿保存の三位一体
これらを事前にクリアしておくことで、警察署の現地調査・書類審査をスムーズにパスできます。行政書士による事前診断サービスもぜひご活用ください。
