Case 10|家族に負担をかけたくないという想いから遺言を作成したケース
はじめに
「家族に迷惑をかけたくない」
これは、遺言のご相談をいただく中で、最も多く聞かれる言葉の一つです。
特に、病気の治療を続けている方や高齢の方にとっては、
将来のことを考えるほど、ご家族への負担が気になるものです。
公正証書遺言は、そうした不安を少しでも軽くし、
家族のためにできる備えとして活用されています。
想定事例|「できるだけ迷惑をかけずに、想いを残したい」
事例:加藤さん(73歳・男性/長野市在住)
加藤さんは、胃がんの治療を続けながら自宅で療養中。
体調には波があり、通院と休養を繰り返す日々を送っています。
奥様と二人暮らしで、子どもは独立して県外に在住。
ある日、ふと奥様にこう話されました。
「もしものとき、できるだけ負担をかけたくないんだ」
それは、財産のことだけでなく、手続きや判断の負担も含めた想いでした。
遺言で整理した内容
加藤さんは、次の点を中心に整理しました。
- 預貯金や不動産の分配方法
- 相続手続きが複雑にならないような内容設計
- 葬儀や納骨に関する希望(付言事項)
- 奥様への感謝と生活への配慮
特に重視したのは、**「残された家族が迷わない内容にすること」**でした。
気持ちの変化
遺言の作成を進める中で、加藤さんはこう話されました。
「これで、少し肩の荷が下りた気がします」
また奥様も、
「具体的に決めておいてもらえると、本当に助かります」
と話され、ご夫婦の間で安心感が生まれました。
遺言を通じて、「不安」が「安心」に変わっていく様子が印象的でした。
医療に理解のある行政書士として
医療現場の声に触れる中で、治療と生活の両立に悩む方々や、
ご家族を思う温かい気持ちに数多く出会ってきました。
「迷惑をかけたくない」という想いは、とても自然で大切なものです。
その想いを無理なく形にできるよう、
- 体調に配慮した打合せ
- わかりやすい説明と整理
- 家族の負担を軽減する内容設計
を心がけながら、丁寧にサポートしています。
まとめ
遺言は、「亡くなった後のための準備」と思われがちですが、
実際には、今を安心して生きるための準備でもあります。
加藤さんのように、
「家族に迷惑をかけたくない」という気持ちから一歩踏み出すことで、
ご本人もご家族も、穏やかな気持ちで日々を過ごせるようになります。

