この条文は危険です|医療契約で見かける著作権NG条文と修正の考え方
Take Home Message
契約書の著作権条文は、
「そのまま受け入れるもの」ではなく「調整するもの」です。
NG条文を見抜き、条件を整理することで、
権利と収益を守ることができます。
なぜ条文レベルで確認が必要なのか
医療分野の契約では、
- ひな形(テンプレート)がそのまま使われている
- 相手方に有利な内容になっている
ケースが想定されます。
そのため、
👉 「読んでも問題に気づきにくい条文」が含まれています
NG条文① 著作権の包括譲渡
【条文例】
本業務により作成された成果物に関する著作権は、すべて甲に譲渡するものとする。
■ 問題点
- すべての権利が相手に移転
- 自分での再利用が制限される可能性
■ 修正の考え方
- 利用許諾に変更する
- または利用範囲を限定する
■ 実務対応
👉 「譲渡」か「利用許諾」かを必ず確認
NG条文② 無制限の利用範囲
【条文例】
甲は本成果物を、地域・期間の制限なく自由に利用できる。
■ 問題点
- 全世界・無期限で利用可能
- 想定外の用途にも使われる可能性
■ 修正の考え方
- 利用目的を限定
- 利用期間を設定
■ 実務対応
👉 「どこで・どのくらい使うか」を具体化
NG条文③ 二次利用の包括許可
【条文例】
甲は本成果物を自由に改変・翻訳・再利用できるものとする。
■ 問題点
- 内容改変される可能性
- 医療情報の正確性に影響
■ 修正の考え方
- 改変の範囲を制限
- 事前確認条項を入れる
■ 実務対応
👉 「改変される前提」で条件を設定
NG条文④ 著作者人格権の不行使
【条文例】
乙は著作者人格権を行使しないものとする。
■ 問題点
- 内容変更に異議を言えない
- 氏名表示のコントロール不可
■ 修正の考え方
- 行使しない範囲を限定
- 表示方法を明記
■ 実務対応
👉 医療内容の場合は特に慎重に確認
NG条文⑤ 無制限の責任条項
【条文例】
本契約に関連して生じた損害について、乙は一切の責任を負う。
■ 問題点
- 責任範囲が無制限
- 想定外のリスク
■ 修正の考え方
- 責任範囲の上限設定
- 過失の範囲限定
■ 実務対応
👉 「責任の上限」があるか確認
行政書士ができる実務支援
契約書チェックでは、次の対応を行います。
■ チェック内容
- 著作権条文の抽出
- NG条文の指摘
- 修正の方向性提示
■ 提供物
- チェック結果(書面)
- 修正ポイント一覧
■ 注意点
- 条文の交渉・代理は業務範囲外の可能性あり[要確認]
放置するとどうなるか
NG条文をそのまま受け入れると、
- 自分の論文を使えない
- 内容を勝手に変更される
- 収益機会を失う
可能性があります。
明日からできるチェック方法
契約書を受け取ったら、
- 「譲渡」という言葉を探す
- 「無制限」「自由に利用」を確認
- 「人格権」の記載を見る
👉 この3点だけでもリスクは大きく減ります
まとめ
契約書は形式的なものではなく、
権利と収益を決める重要な書面です。
NG条文を見抜き、条件を整理することで、
安心して契約を進めることができます。
ご相談について
当事務所では、
- 契約書チェック(著作権条文の整理)
- 修正ポイントの提示
- 契約書作成
を行っています。

