遺言書は「公平」より「納得」を大切に
相続と聞くと、「相続人で均等に分けるのが正しい」と考える方は多いかもしれません。
確かに、法律上は法定相続分という基準があり、ひとつの目安にはなります。
しかし実際には、均等に分けることが必ずしも最善とは限りません。
■ 家族ごとに異なる「これまでの関係性」
例えば、次のようなケースは珍しくありません。
- 長年にわたり同居し、介護を担ってきた相続人がいる
- 事業や家業を引き継いできた相続人がいる
- 生前に多くの援助を受けていた相続人がいる
このような背景がある場合、形式的な「平等」よりも、
これまでの関係性を踏まえた分け方の方が、結果として納得につながることがあります。
■ 遺留分は「請求して初めて意味を持つ制度」
もちろん、法律上は「遺留分」という制度があり、
一定の相続人には最低限の取り分が保障されています。
ただし重要なのは、
**遺留分は自動的に守られるものではなく、「請求して初めて効力を持つ」**という点です。
つまり――
- 遺言内容に不満があっても請求しない
- あるいは、故人の意思を尊重してあえて請求しない
という判断がなされることも、現実には少なくありません。
■ 「想い」を反映できるのが遺言書の本質
遺言書は、単に財産の分け方を決めるためのものではありません。
- なぜこの分け方にしたのか
- 誰にどのような想いを託したのか
こうした背景や意思を整理し、形にすることができます。
これにより、相続人同士の無用な対立を防ぎ、
結果として円満な相続につながる可能性が高まります。
■ 行政書士として大切にしていること
私は行政書士として、単に形式的な遺言書を作成するのではなく、
ご本人の想いに寄り添うことを大切にしています。
- ご家族との関係性
- これまでの経緯
- 将来への不安や希望
これらを丁寧にお伺いしながら、
その方にとって納得のいく遺言書作成を支援いたします。
■ まとめ
遺言書において大切なのは、「公平さ」だけではありません。
ご自身とご家族にとって納得できる形を考えることが重要です。
そのためには、法律の知識だけでなく、
それぞれのご家庭の事情に向き合う視点が欠かせません。

