遺言能力が争点となったケース

◆ 事例:認知症の父が残した自筆証書遺言

登場人物

  • 父(故人):85歳。数年前から軽度の認知症。
  • 長男:父の介護を担っていた。
  • 長女:別居。父とは疎遠だった。

状況
父が亡くなった後、長男が保管していた自筆証書遺言が発見されました。内容は「すべての財産を長男に相続させる」と記載されていました。日付は亡くなる1年前。字はやや乱れていたが、本人の署名・押印あり。

トラブル発生
長女が「その頃には父の判断能力がなかったはずだ」と主張し、遺言の無効を求めて家庭裁判所に調停を申立て。過去の通院記録や診断書などから「軽度の認知症」は認められたが、完全に判断力を失っていた証拠までは出なかった。

結果
調停では和解が成立し、財産は長男7割・長女3割で分割することで合意。


◆ 専門家からのポイント解説

この事例では、以下の点が争点となりました:

  • 遺言作成時の判断能力の有無
  • 医師の診断記録や日記などの状況証拠
  • 第三者の立会いや録音・録画の有無

特に自筆証書遺言では、第三者の確認を受けにくいため、後に「本当に本人の意思か?」と争われる可能性が高くなります。


◆ トラブルを防ぐには

✅ 公正証書遺言を選ぶ
✅ 医師の診断書や立会人の記録を残す
✅ 専門家(行政書士・弁護士)に事前相談しておく


まとめ

遺言は「元気なうち」に備えることで、家族間のトラブルを未然に防ぐことができます。
判断能力に不安が出る前に、公正証書遺言の作成を検討されることをおすすめします。

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