1. はじめに
遺言書は、ご自身の意思を確実に伝え、大切な家族に安心を残すための大事な手段です。
しかし、作成方法を間違えると「無効」「争いの原因」になることも…。
今回は、実際の失敗事例を交えながら、作成時に注意すべきポイントをわかりやすくご紹介します。
2. 遺言書作成の主な注意点と失敗例
(1)形式不備による無効
遺言書には厳格なルールがあり、少しのミスでも無効になることがあります。
失敗例:
・自筆証書遺言に「日付」の記載を忘れて無効。
・パソコンで本文を作成してしまい、無効に(自筆が原則)。
・押印を忘れたために、形式不備と判断された。
対策:
→ 「全文手書き」「日付」「署名」「押印」を必ず忘れずに!
(2)遺言能力を疑われた
遺言作成時に、本人の判断能力が不十分だと後に問題になることがあります。
失敗例:
・認知症が進んだ高齢者が遺言を作成。相続人が「無効だ」と訴え、家庭裁判所で争いに。
・遺言作成直後に入院。親族間で「作成時の意思確認が不十分だった」と揉めた。
対策:
→ 作成時の状況を記録する(医師の診断書取得、公証役場での作成などがおすすめ)。
(3)遺留分に配慮しなかった
相続人には最低限の取り分(遺留分)が保証されています。これを侵害するとトラブルに。
失敗例:
・すべての財産を特定の子だけに遺贈した結果、他の相続人から「遺留分侵害額請求」が。
・「長男には相続させない」と明記したものの、長男が法的手段をとって争いに発展。
対策:
→ 配分を考える際は遺留分にも十分に注意する。必要に応じて「付言事項」で事情を説明するとベター。
(4)財産の特定が不十分
あいまいな記載だと、解釈をめぐって相続人同士で揉める原因になります。
失敗例:
・「長女に預金を相続させる」と書いたが、どの銀行のどの口座か特定できず、相続人間で対立。
・「自宅を次男に」と書いたが、登記簿上は名義が亡き配偶者との共有名義だった。
対策:
→ 財産は、具体的な情報(銀行名、支店名、口座番号、不動産の所在地・地番など)をしっかり記載。
(5)内容が現実とズレた
遺言作成後に事情が変わった場合、内容が実情に合わなくなることがあります。
失敗例:
・作成後に財産を売却したが、遺言を修正していなかったため、指定した財産が存在しない状態に。
・家族構成が変わった(再婚・孫の誕生など)が、遺言の更新をしなかったため新たなトラブルに。
対策:
→ 数年に一度、あるいは生活に変化があったタイミングで「遺言内容の見直し」を。
(6)独断で作成し専門家に相談しなかった
法律や税金に関する知識不足でトラブルになることも。
失敗例:
・手続きが不完全なため、相続登記が進められず、結果的に弁護士を依頼して高額な費用が発生。
・相続税対策を怠った結果、思った以上に税金が発生し、相続人が困った。
対策:
→ 最初から行政書士・弁護士・税理士などの専門家に相談して、適切なアドバイスを受ける。
3. まとめ
遺言書は「想いを伝える手紙」であると同時に、「法律上の重要な手続き」でもあります。
だからこそ、形式の整った正しい遺言を作ることが、
家族の未来を守り、自分の願いをきちんと形にする一番の近道です。
「しっかり準備したいけど、どうすればいいかわからない」
そんな方はぜひ、行政書士など専門家のサポートを活用してください。
あなたの大切な想いを、確実に未来へとつなげましょう。

