遺言作成ガイド ~家族に想いを伝えるために~

第8弾:遺言と家族信託、どう違う?どちらを選ぶべきか

将来の財産管理や承継について考えるとき、よく比較されるのが
**「遺言」と「家族信託」**です。
どちらも「自分の意思を将来に残す仕組み」ですが、内容や役割には明確な違いがあります。
今回は、それぞれの特徴と選び方について分かりやすく解説します。


■ 遺言とは?

遺言は、「亡くなった後の財産の分け方や希望を記す」文書です。
効力が発生するのは本人の死後であり、それまでの生活や財産管理には影響しません。

主な特徴:

  • 財産の「誰に・どれだけ・どう渡すか」を指定
  • 相続人以外の人に財産を渡すことも可能
  • 法的な効力がある(方式を守れば)

■ 家族信託とは?

家族信託は、**「元気なうちに自分の財産を預け、管理や運用を家族に任せる」**制度です。
認知症や病気などで判断能力が低下しても、信頼できる人が代わりに財産管理を続けられるのが大きな特長です。

主な特徴:

  • 生前から財産の管理や使い方をコントロールできる
  • 将来的な認知症・判断力の低下にも備えられる
  • 柔軟な契約内容が設定可能

■ それぞれの比較

比較項目遺言家族信託
効力発生時死後契約時(生前)
主な目的相続の指定財産の管理・活用・承継
認知症への備え対応不可対応可能(判断力低下でも継続)
柔軟性相対的に低い契約次第で柔軟に対応可能
専門性・費用比較的シンプル契約内容によっては複雑・費用高め

■ どちらを選ぶべき?

  • 財産を「誰にどう分けるか」だけ決めたい場合は → 遺言
  • 認知症や病気などに備えつつ、家族に管理を任せたい場合は → 家族信託

両者は併用も可能です。生前は家族信託で管理し、死後の相続には遺言を活用するという方法もあります。


■ まとめ:あなたの目的に合った方法を選ぼう

「何を目的に、どこまで管理したいのか」で選ぶ手法は変わります。
遺言も家族信託も、大切なのは**「想いを形にする」**という姿勢です。
迷ったときは、専門家に相談しながら自分に合った方法を検討してみてください。


次回(第9弾)のテーマは
「公正証書遺言の保管と家族への伝え方」
せっかく作った遺言が活用されないことのないように、「保管と伝達のコツ」をお届けします。

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