内縁関係の配偶者がいる場合

遺言を作成しておくべき理由

内縁関係にある配偶者がいる場合、相続に関するルールは正式な結婚と異なるため、特に注意が必要です。
内縁とは、法律上の結婚はしていないものの、長期間にわたって夫婦として共同生活を営んでいる関係を指します。

今回の記事では、内縁の配偶者がいる場合の相続の仕組みと、遺言書の重要性について解説します。


1.内縁関係の配偶者は法的相続人ではない

法律上、内縁関係にある配偶者は、法定相続人にはなりません
これは、内縁関係が正式な婚姻関係にないため、相続の権利が認められないからです。

【法定相続人】

  1. 配偶者(内縁関係は対象外)
  2. 子ども
  3. 両親(直系尊属)
  4. 兄弟姉妹

つまり、内縁関係にある配偶者には、法律上、相続権がありません。
そのため、亡くなった方の財産を相続する権利は、子どもや親に移ります


2.内縁関係の配偶者は遺言によって保護可能

内縁関係の配偶者が、亡くなったパートナーの財産を相続したい場合は、遺言書を作成しておく必要があります
遺言書で、「内縁の配偶者に全財産を相続させる」などの意思を明記しておけば、法定相続人でない内縁の配偶者にも財産を渡すことができます。

遺言書の重要性

  • 内縁配偶者に財産を渡すためには、遺言書が唯一の方法
  • 遺言書で財産の分け方を明示することで、相続時のトラブルを防げる
  • 内縁関係の配偶者にとって、遺産相続が難しくなる可能性を事前に回避できる

3.実例:内縁の配偶者と子どもがいる場合

例えば、Aさん(60歳)が内縁の配偶者Bさん(58歳)と暮らしており、Aさんには前妻との間に子どもCさん(30歳)がいる場合を考えてみましょう。

Aさんが亡くなった場合、法律上は子どもCさんが相続人となり、Bさんは相続権を持たないことになります。
もしAさんが生前に「Bさんに全財産を残す」という内容で遺言書を作成していなかった場合、Cさんが相続手続きに関与し、Bさんは相続できません。

このような事態を避けるためにも、内縁配偶者に財産を残す意志を遺言書で示すことが非常に重要です。


4.遺言書がないと内縁の配偶者が困る可能性

内縁関係にある配偶者が亡くなった場合、家計を共に支えていた配偶者に何も残さないという事態が生じます。
これは特に、内縁の配偶者が長年の共同生活において、金銭的な支援をしていたり、日常的に生活全般を支えていた場合には大きな負担となることがあります。

また、内縁の配偶者は、正式な婚姻関係がないため、相続人としても認められず、遺産を相続できない場合が多いのです。
このため、事前に遺言書で意思表示をしておくことが、内縁の配偶者にとっての生活保障となります


5.遺言の方法と注意点

内縁の配偶者に財産を残すためには、遺言書の作成が不可欠です。
遺言書の形式には、自筆証書遺言と公正証書遺言があります。

【自筆証書遺言】

  • 手軽に作成できるが、形式に不備があると無効になる可能性あり
  • 遺言書の保管場所に注意が必要

【公正証書遺言(おすすめ)】

  • 公証人が作成するため、法律的に確実
  • 検認手続き不要で、手続きがスムーズに進む
  • 公証人が遺言内容をチェックしてくれるので、記載ミスを防げる

内縁関係の配偶者にとって、公正証書遺言が最も確実で安全な方法となります。


まとめ:内縁配偶者を守るために遺言を作成しよう

内縁関係の配偶者がいる場合、法律上は相続権が認められないため、遺言書を作成しておくことが重要です。
遺言書により、内縁の配偶者にすべての財産を残すことができ、また相続時のトラブルを防ぐためにも効果的です。

今後の生活を守るためにも、早めに遺言書を作成し、家族や配偶者に迷惑をかけないように準備をしておきましょう。

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