遺言を作成しておくべき理由
親が高齢になり、介護が必要な状況になると、親の財産の管理や相続に関しても不安が増えてきます。
また、兄弟姉妹間での意見の食い違いや争いが起こりやすく、相続を巡るトラブルが実際に起きることもあります。
そのような中、遺言書を作成することが、遺産を巡るトラブルを防ぐためには非常に重要です。
今回は、介護が必要な親がいる場合に、遺言を作成するべき理由について解説します。
1.親の介護にかかる費用を相続人で負担する場合
親が介護が必要な状態になると、介護費用や医療費がかかり、相続に関する問題が浮上しやすくなります。
例えば、兄弟姉妹の中で介護をしている人が多くの負担をしている一方で、他の兄弟姉妹が金銭的に何も負担しない場合、その不公平感が遺産相続を巡る争いにつながることがあります。
遺言書を作成しておけば、こうした負担を公平に配分するための指針を示すことができます。
たとえば、「Aさんが親の介護をしたため、その分の金銭的な配慮を遺産の中から渡す」という形にすることで、兄弟姉妹間での不満を解消できます。
2.介護をしていた家族の生活保障
親の介護を行う場合、介護をする家族の負担は大きいものです。
介護にかかる時間や経済的な支援が必要になるため、他の兄弟姉妹が何もしていない場合、不公平感や不満が生じる可能性があります。
このような場合、遺言書を使って、介護をしてきた家族に特別に遺産を渡す旨を記しておくことができます。
これにより、介護を担当してきた家族の生活も守ることができ、他の相続人との間でのトラブルを回避することが可能になります。
3.親の意思を尊重した相続
親が介護を受けている場合、親自身が遺言書を作成していないと、最期の意志が分からないまま相続手続きが進むことになります。
特に、認知症などで判断能力が低下している親の場合、遺言を残すことが難しくなります。
遺言書を残すことで、親がどのように財産を分けたいかを事前に示すことができるため、相続がスムーズに進みます。
また、親の希望を尊重した相続が実現するため、残された家族間での意見の食い違いを防ぐことができます。
4.親の財産を公平に分けるため
親が財産をどう分けるかについての考え方は、子どもたちにとって大きな関心事です。
親が介護を受けているときに、子どもたちの間で財産をどう分けるかが問題となることが多いですが、親が元気なうちに遺言書を作成しておけば、その問題は早い段階で解決できます。
例えば、親が介護費用を支払っていた家族に特別に財産を渡すといった内容を遺言書で明記することが可能です。
また、親が他の兄弟姉妹に配慮して、公平な分け方を遺言書で示しておくことができます。
これにより、相続後に不公平感が生じることなく、スムーズな相続手続きが行えるでしょう。
5.遺言書での支援の方法
遺言書を作成する際には、具体的に誰にどの財産を渡すのか、またその理由を明確に記載することが重要です。
特に、介護をしている家族がある場合、その家族への支援を遺言で明確に示すことが、後々のトラブルを防ぐためには効果的です。
遺言書には、例えば以下の内容を記載することができます:
- 「長男に財産の〇〇%を渡すが、介護をしてきた長女には〇〇万円を渡す」
- 「介護費用を負担してきた家族に、遺産の一部を特別に支給する」
- 「遺産の中から介護施設にかかる費用を出す」など
まとめ:介護をしている家族を守るために遺言書を作成しよう
親が介護を必要とする状態になると、親の財産分けを巡る争いが起きるリスクが高まります。
遺言書を作成しておくことで、介護に関わった家族に対する配慮や公平な相続の実現が可能となり、家族間のトラブルを未然に防ぐことができます。
親が元気なうちに遺言書を作成しておくことが、家族の絆を守り、遺産相続を円滑に進めるためには不可欠な準備です。
介護が必要な親がいる場合、早めに遺言書を作成しておくことを強くおすすめします。

