がん治療の効果を測るためには、単に「長生きできたか(OS)」だけでなく、
**「その間、がんがどう変化したか」**を見ることが重要です。
そこで登場するのが、**PFS(Progression-Free Survival/無増悪生存期間)**という指標です。
◆ PFSとは?
PFSとは、「治療開始から**がんの進行(=増悪)**が確認されるか、死亡するまでの期間」を指します。
簡単に言えば、
**「がんが悪くならずに、穏やかに過ごせた時間」**の長さを測る指標です。
◆ なぜPFSが重要なのか?
がん治療では、がんの進行が止まっているだけでも、患者さんの体調や生活の質(QOL)が安定することがあります。
つまり、PFSが長い=生活に影響する症状が抑えられている可能性が高い、ということになります。
- 早く評価できる:OSと違い、患者の死亡を待たずに結果が出せるため、新薬開発のスピードを高められる。
- QOLの安定に直結:がんの進行によって痛み・息苦しさ・食欲不振などが出ることがあるため、進行を防ぐことは日々の安心につながります。
◆ PFSの限界と注意点
とはいえ、PFSにも注意すべき点があります。
- 延命効果(OS)とは別物:PFSが伸びても、必ずしもOSが延びるとは限りません。
- 画像評価の限界:がんの「進行」の判定にはCTやMRIが使われますが、医師の判断や画像の読み方に個人差が生じることも。
- 患者さんにとっての実感とのギャップ:画像上は進行がないように見えても、実際には症状が悪化していることもあります。
◆ OS vs PFS:どちらが大切?
どちらも大切です。
OSは「命の長さ」、PFSは「穏やかな時間の長さ」。
たとえば――
- OSが12か月、PFSが11か月 → ほぼ進行せずに亡くなった
- OSが12か月、PFSが4か月 → 進行後の苦しい時間が8か月あった可能性
というように、PFSは「どんな1年だったか」を物語る指標とも言えます。
◆ まとめ:PFSは「がんとの共生」を測るもの
かつてのがん治療は「完治」を目指すものでしたが、今は「がんと共に生きる」ことも選択肢の一つです。
その中でPFSは、「治療によって、どれだけ穏やかな日々を得られたか」を測る指標として、ますます重要になっています。
治療の成否を判断する際、OSとPFSをセットで考えることが、より納得できる選択につながるかもしれません。

