――遺言がつないだ、家族の絆
事例概要
Eさん(66歳・男性)は5年前に再婚し、妻Fさんとその連れ子Gさん(成人)と3人で暮らしていました。
Gさんとは血縁はないものの、Eさんは「自分の子ども同然だ」と感じており、将来はFさんとGさんに財産を残すつもりでいました。
しかし、Gさんは法定相続人ではないため、何の手続きもなければ一切相続できない状況です。
Eさんが選んだ方法
- 公正証書遺言を作成し、妻Fさんに加え、Gさんにも財産を「遺贈」する内容を明記
- 「自分にとってGは本当の子どものような存在であり、感謝の気持ちを形にしたい」と付言事項に記載
- 公証役場での作成時には、遺言の内容と背景をしっかりと公証人に説明
遺言がもたらした結果
- Eさんの死後、遺言に従ってFさんが自宅を相続し、Gさんも預貯金の一部を受け取ることができた
- 法定相続人であるFさん以外にGさんが財産を受け取ることに、誰も異を唱えることなく受け入れられた
- Gさんは「家族として認められていたことが何よりうれしい」と語る
- 遺言によって、感謝と信頼が“形”として残されることになった
解説:再婚・連れ子家庭でこそ遺言が必要な理由
- 血縁のない相手には法定相続権がないため、何もしなければ「一切相続できない」ことに
- 特に再婚家庭では、「誰に」「どのように」残したいかを明確に示す必要がある
- 遺言により、家族間での不安や不公平感を防ぎ、感情的な対立も避けられる
ポイント
- 公正証書遺言では、第三者である公証人が遺言内容を確実に記録するため、争いのリスクが低い
- 付言事項によって「なぜそのように遺したか」の思いを伝えることができる
- 特別な事情を抱える家庭では、法的な備えが家族の安心につながる
このような事例は、再婚家庭や事実婚、養子縁組していない子との関係など、
法定相続では拾いきれない人間関係を支える公正証書遺言の力をよく表しています。
次回は、【介護を担ってくれた子どもに感謝の気持ちを遺言で伝えたケース】をご紹介します。

