― 複数の手段を組み合わせて“想いを確実に届ける”方法
【想定事例】
Mさん(78歳)は、配偶者に先立たれ、一人息子Nさんとの関係もやや希薄。
自分の死後、財産をどうすべきかを考える中で、公正証書遺言を作成することを決意しました。
ただ、Mさんの心には一抹の不安が…。
「遺言だけで、ちゃんと伝わるんだろうか?
死後の手続きも、誰かに迷惑をかけないだろうか…」
■ 遺言だけでは「カバーしきれない領域」がある
公正証書遺言は、本人の最終意思を証明し、確実に執行できる強力な手段です。
しかし、それだけで**「すべての相続課題」が解決するとは限りません。**
たとえば…
- 認知症による判断能力の低下には対応できない
- 死後の生活支援や事務処理は別の契約が必要
- 生活資金や介護費用の管理・分配は遺言外での調整が求められる
■ 公正証書遺言と組み合わせたい“3つの仕組み”
① 任意後見契約(将来の判断能力低下に備える)
- 判断能力があるうちに「後見人(代理人)」を指定
- 将来、判断能力が低下した場合に、本人に代わって財産管理や契約を行う
- 遺言では対応できない「生前の管理」をサポート
② 死後事務委任契約(死後の手続きの負担軽減)
- 葬儀・納骨・公共料金の解約・住居の片付けなどを第三者に依頼できる
- 信頼できる人に委任し、報酬や必要経費は遺言で遺贈しておく
- 家族や親族の負担を最小限にする手段
③ 家族信託(柔軟な財産管理・継承設計)
- 財産を信頼できる人(受託者)に託し、管理・運用・処分を任せる
- 高齢期・障害・相続発生後にわたる一貫した財産管理が可能
- 遺言の効力外でも、生前からの備えとして活用可能
■ モデル設計:Mさんの相続設計プラン(例)
- 公正証書遺言で、不動産を息子Nに相続させることを明記
- 任意後見契約で、信頼できる親族Kを後見人に指定
- 死後事務委任契約で、葬儀や家財整理をNではなく第三者に依頼
- 信託契約で、生活資金と介護費用用の預金を信託財産として管理
■ 結びに ― “1枚の遺言書”では足りない時代へ
現代は、人生100年時代。
高齢期のリスクも多様化し、相続のかたちも複雑になっています。
だからこそ、公正証書遺言を「最終の意思表示」として位置づけつつ、
それを支える仕組みを併用していくことが、安心の相続設計につながります。
あなたの想いを、確実に・具体的に・やさしく伝えるために。
「公正証書遺言+α」の設計を、私たち専門家と一緒に考えてみませんか?

