【医療と法務|脳卒中 第1回】

【想定事例】突然の脳出血、そして…

~「本人の意思が確認できない」ことから始まった混乱~


長野市在住のKさん(68歳・男性)は、退職後のんびりとした生活を送っていましたが、ある朝突然、自宅で意識を失って倒れ、脳出血で緊急搬送されました。
幸い命は助かりましたが、左半身の麻痺とともに、言語能力・意思疎通力が著しく低下
回復が見込めない状況が続きました。


❖ 家族の困惑

Kさんには配偶者と二人の子どもがいましたが、誰も「もしも」の備えがされているとは思っていませんでした。

  • 銀行口座:本人名義の定期預金があるが、解約も引き出しもできない
  • 保険金の請求:Kさん自身の署名が必要だが、意思表示ができない
  • 介護施設の検討:入所契約に家族ではサインできない場面も
  • 自宅売却による資金捻出の話も出たが、所有者本人の同意が取れず頓挫

❖ 「後見人が必要かもしれません」と病院から提案されて

病院の医療ソーシャルワーカーから、こう言われました。

「今後の手続きや生活支援のためには、法的な代理人が必要です。
家庭裁判所に後見人選任の申立てを検討されたほうがいいと思います」

しかし、家族にとっては初めて聞く話。
何をどうすればよいのか分からず、混乱が続きました。


❖ 想定されるリスクと負担

  • 家族が「何も決められない」状態で日々が過ぎる
  • 医療・介護・生活費の対応がすべて遅れ、本人に不利益が及ぶ
  • 家族内で「誰が決めるのか」「何を優先するか」で対立するリスク

❖ 早期に備えておくことの重要性

このような事態を避けるために、
元気なうちから「もしも」に備えた法的仕組み(任意後見契約・信託・遺言など)を整えておくことが、
家族の精神的・経済的負担を大きく軽減します。


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