【医療と法務|脳卒中 第6回】

【想定事例】手術の同意、施設入所の契約もスムーズに

~任意後見契約で“家族の負担”を減らせたケース~


中野市に住むTさん(80歳・男性)は、2年前に軽い脳梗塞を発症し、
その後の再発に備えて、娘さんと一緒に任意後見契約見守り契約・財産管理委任契約を公正証書で整えていました。


❖ 脳梗塞の再発。そして、判断力の低下

Tさんは発症から1年半後、再び脳梗塞を発症。
入院は成功したものの、注意力や記憶力に明らかな低下が見られ、
「本人に契約内容を説明しても理解が追いつかない状態」に。

病院側からも「成年後見制度の利用を検討してほしい」との提案があり、
事前の任意後見契約に基づき、当事務所が家庭裁判所へ申立てを行いました。


❖ 任意後見開始でスムーズに進んだ3つのこと

  1. 転院・介護施設入所の契約
     → 家族の代わりに、後見人が正式な契約手続きを代行
  2. 手術の同意書への署名
     → 本人が同意できない状態でも、代理人として速やかに対応
  3. 銀行・保険手続き
     → 通帳や年金手続きを、後見人が引き継ぎ、入所費用へ充当

❖ 娘さんの声

「突然の再発でパニックになりそうでしたが、
書類も手続きもすべて任せることができ、本当に助かりました。
父が元気なうちに備えておいてくれたおかげです」


❖ 契約をしていたからこそ、“本人の希望”が生きた

Tさんは、元気な頃から「迷惑はかけたくない、でも最期まで自分の意思を反映させたい」と話していたそうです。

その希望を叶えるために、

  • 誰に託すのか(任意後見受任者の指定)
  • どんな時にどんな支援を受けたいのか(契約条項の設定)
  • 最後に何を残したいのか(遺言・死後事務委任契約)

これらを自分の意思で整理できたことが、結果的に家族を守ることにもつながった事例でした。


❖ 任意後見は「家族の負担を軽くする契約」でもあります

判断力を失ったあと、本人の代わりに法的に動けるのは「後見人」だけです。
備えがないと、すべてが家族の“善意”や“判断”に委ねられ、
病院・施設・行政とのやりとりが一気に重荷になります。


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