【想定事例】「何も準備していなかった父の入院後」
~成年後見申立てと遺族の負担が重なったケース~
須坂市にお住まいだったYさん(78歳・男性)は、
ある朝、突然の脳出血で救急搬送され、そのまま意識が戻らないまま入院となりました。
❖ 判断能力の喪失。医師からの提案は「成年後見制度の利用」
Yさんは入院直後から、昏睡状態に。
意思の確認ができないまま、入院費・手術同意・保険手続きなどの重要な判断が必要になりました。
病院側から「成年後見制度の申立て」を家族に提案され、
長男のKさんが手続きを進めることに。
しかし、ここからが長い道のりでした。
❖ 成年後見の申立てに必要だったもの
- 医師の診断書
- 家庭裁判所への申立書類一式
- 推定相続人の戸籍収集・利害関係の調整
- 申し立てにかかる印紙・郵送・交通費など
裁判所の審査に約2ヶ月。
ようやく後見人が選任されたときには、すでにYさんは介護病棟へ転院していました。
❖ 準備していなかったことで起きた具体的な困難
- 入院費や施設利用料が支払えない期間が生じた
→ 銀行口座が凍結状態。家族も代理で引き出せず。 - 本人名義のアパートの賃貸契約が更新できず
→ 書類に署名できる人がいないため。 - 亡くなった後、死後の対応をめぐって親族間でトラブルに
→ 葬儀の形式・費用負担・遺産分けで意見が割れた。
❖ 長男Kさんの声(想定)
「父が一言でも相談してくれていれば、こんなに大変にはならなかった。
お金の話を避ける風潮が、かえって家族を苦しめてしまったと思う」
❖ “何も決めていない”ことはリスクそのもの
- 判断力が失われたあとでは、法的な代理権が発生するまでに時間がかかる
- 親族間の「良かれと思って」の行動が、逆にトラブルになることも
- 遺言や契約の不備で、残された人の間に不信感が生じることも多い
❖ まとめ|「元気なうちに備える」ことの意味
Yさんのように、何も準備せず急な事態を迎えるケースは少なくありません。
しかし、それは「仕方がなかった」のではなく、
事前に整えておくことができた内容ばかりだったのです。
- 任意後見契約
- 財産管理委任契約
- 死後事務委任契約
- 公正証書遺言
これらはすべて、本人の意思能力があるうちにしか作成できないものです。
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