自筆の遺言が無効になった…

せっかくの想いが届かなかった理由とは?


◆ 導入

「遺言は紙に書いてサインすれば大丈夫」
そう思っていたのに、実際には無効になってしまったケースがあります。

遺言は“形式”が非常に厳しく決まっており、
わずかな不備でも効力が認められないことがあるのです。


◆ 想定事例|Mさん(長野県内・女性 78歳)の場合

Mさんは長年連れ添った夫に先立たれ、
一人娘と弟がいる状況で、自宅と預貯金を持っていました。

Mさんは「家は娘に、預金は弟に」と考え、
便箋に手書きで遺言を書きました。

しかし、その遺言には…

  • 財産の特定があいまい(「〇〇銀行の預金を渡す」とだけ記載、支店や口座番号なし)
  • 日付が「令和5年3月吉日」となっており特定できない
  • ページの途中からボールペンの色が変わっていた
  • 押印がなかった

◆ 結果

相続開始後、娘と弟の間で遺言の有効性が争われ、
家庭裁判所で審理の結果、形式不備で無効と判断。

結局、遺産は法定相続分で分けることになり、
Mさんの意向は反映されませんでした。


◆ 専門家の視点からの教訓

  • 自筆証書遺言は、全文・日付・氏名を自書し、押印することが必須
  • 財産は特定できるように、住所・地番・口座番号などを正確に記載
  • 書き足しや修正には厳格なルールがある(訂正箇所に押印、訂正内容を記載)
  • 少しでも不安がある場合は、公正証書遺言や専門家の確認を利用

◆ 医療と法務の視点から

高齢になると、筆跡の変化や記載ミスが増え、
**「本人の意思は確かでも形式不備で無効」**という残念な結果が起こりやすくなります。

医療や介護で体力が落ちている時期ほど、
自筆遺言ではなく、負担の少ない公証役場での作成がおすすめです。


◆ まとめ

✅ 自筆証書遺言は「本人の手書き+厳格な形式」が必要
✅ 日付・財産特定・押印の欠落は致命的
✅ 意思を確実に残すには、専門家とともに作成するのが安心

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です