事例概要
Tさん(68歳)は、前妻との間に成人した息子が1人います。
10年前に現在の妻Sさん(60歳)と再婚しましたが、Sさんとの間に子どもはいません。
現在の自宅はTさん名義。再婚後も前妻の息子とは連絡が少なく、
「自宅は今一緒に暮らすSに残したい」と思いながらも、法的にどうすればよいのか迷っていました。
相談時の課題
- 法定相続では、前妻の子にも相続権がある
- Sさんと息子の間には交流がなく、将来的なトラブルが予想される
- 自宅はSさんの生活基盤であり、共有や売却の対象にしたくない
行った対策
- 公正証書遺言を作成し、自宅をSさんに相続させる旨を明記
- 預貯金の一部を前妻の息子に遺留分相当額として遺贈
- 遺言執行者を専門家に指定し、相続時の連絡や手続を中立的に実施できる体制を整備
結果
- Sさんが安心して住み続けられるように配慮された遺言内容となった
- 前妻の子にも一定の財産を残すことで、遺留分侵害を防止
- 遺言執行者による手続で、相続人同士の直接交渉を避けることができた
解説:再婚家庭における遺言の重要性
- 再婚・連れ子のある家庭では、法定相続が感情的な対立を招きやすい
- 「現配偶者を守りたい」「前妻の子にも一定の配慮をしたい」など、
複数の思いをバランスよく実現できるのは遺言だけ - 公正証書遺言であれば、法的確実性と実務上の円滑さを両立できる
ポイント
- 再婚後の家庭では、法定相続と気持ちのバランスをどう取るかが課題
- 公正証書遺言により、「自分の意志で分け方を決める」ことができる
- 専門家の関与で、家族間トラブルを未然に防止できる

