前立腺がんは、男性特有の臓器である「前立腺」にできるがんです。
高齢の男性に多く見られ、ゆっくり進行するタイプが多い一方で、
放っておくと転移することもあるため、正しく知り、早めに向き合うことが大切です。
ここでは、前立腺の働きからがんの特徴、そして早期発見のポイントまでを、わかりやすく説明します。
1. 前立腺とはどんな臓器?
前立腺は、膀胱のすぐ下にある、くるみほどの大きさの臓器です。
尿道を囲むように存在しており、精液の一部(精子を守り、動きを助ける液)をつくる役割を持っています。
前立腺は男性ホルモンの影響を強く受ける臓器で、
年齢とともに肥大したり、細胞の働きに変化が起きやすくなったりします。
2. 前立腺がんとは?
前立腺がんは、前立腺の細胞が異常に増えて、腫瘍をつくる病気です。
多くの場合は「前立腺の外側部分(辺縁域)」に発生し、時間をかけてゆっくり成長します。
ただし、中には進行が早いタイプのものもあり、
骨やリンパ節などに転移することもあるため、注意が必要です。
3. なぜ前立腺がんになるのか(原因とリスク)
前立腺がんの正確な原因はまだ完全には分かっていませんが、
いくつかの要因が関係していると考えられています。
主なリスク要因
- 加齢:50歳を過ぎると発症のリスクが高まります。
- 遺伝・家族歴:父親や兄弟が前立腺がんを経験している場合、発症の可能性がやや高くなります。
- 生活習慣:脂肪の多い食事、運動不足、肥満などが影響することがあります。
- 男性ホルモン:前立腺の働きを支える男性ホルモン(テストステロン)が、がん細胞の増殖にも関わっているとされています。
こうした要因のいくつかが重なることで、発症のリスクが上がると考えられています。
4. 前立腺がんの特徴|「ゆっくり進むが油断は禁物」
前立腺がんは、一般的に進行がゆっくりであることが多いがんです。
そのため、早期の段階では自覚症状がほとんどありません。
一方で、進行すると次のような症状が現れることがあります。
- 尿が出にくい、途中で止まる
- 夜間の頻尿
- 排尿後もスッキリしない
- 血尿や血精液が見られる
ただし、これらの症状は前立腺肥大症など、良性の病気でも起こるため、
症状だけでがんかどうかを判断することはできません。
5. 早期発見のカギ「PSA検査」
前立腺がんを早期に見つけるうえで重要なのが、PSA(前立腺特異抗原)検査です。
これは、血液中のPSAというタンパク質の量を測る検査で、
値が高い場合は前立腺の異常(がんや炎症など)が疑われます。
PSA検査は、採血だけで簡単に受けることができます。
40代後半から50歳を過ぎた男性は、健康診断や人間ドックでPSA検査を追加することを検討してみてください。
🟢 ポイント:PSA値が高くても、すぐにがんとは限りません。
追加の画像検査や生検で、医師が総合的に判断します。
6. 前立腺がんは「治るがん」でもある
前立腺がんは、早期に見つかれば高い確率で治療が可能です。
最近では、体への負担が少ない手術や放射線治療、薬物療法なども進歩しており、
生活の質(QOL)を保ちながら治療を続けることができます。
また、高齢で進行が遅い場合には、「すぐに治療せず経過を見守る」という選択もあります。
医師と相談しながら、ご自身の年齢や健康状態に合った方法を選ぶことが大切です。
7. 不安なときは、専門家や支援窓口に相談を
診断を受けた直後は、不安や戸惑いが大きいものです。
治療法の選択や将来の生活設計について、一人で抱え込まずに相談できる環境を整えましょう。
- 医師・看護師・ソーシャルワーカー
- 病院のがん相談支援センター
- 行政書士や弁護士などの専門家(治療方針や財産管理のサポート)
病気の理解を深めることは、次の一歩を踏み出すための力になります。
8. まとめ|正しく知ることが、安心につながります
前立腺がんは、男性にとって決して珍しい病気ではありません。
しかし、早期に発見し、正しく治療を受ければ、長く穏やかに生活することができます。
- PSA検査を定期的に受ける
- 気になる症状があれば早めに受診する
- 不安や悩みは信頼できる専門家に相談する
これらを意識するだけでも、病気への備えは大きく変わります。
今の自分を責めず、正しい知識を味方につけて、前向きに過ごしていきましょう。
(補足)
本記事は、前立腺がんに関する一般的な解説です。
治療内容や検査の結果については、必ず主治医にご相談ください。
また、治療後の生活設計や意思の整理に関しては、遺言・任意後見契約など法的サポートのご相談も承っています。

