前立腺がんの治療の種類|あなたに合った方法を一緒に考えましょう

前立腺がんと診断されたあと、次に大切になるのが**「どんな治療を選ぶか」**です。
前立腺がんの治療にはいくつかの方法があり、年齢・体の状態・がんの進み具合などによって最適な治療は異なります。

ここでは、主な治療の種類と、それぞれの特徴・考え方を、一般的な内容としてわかりやすくご紹介します。


1. 治療の基本的な考え方

前立腺がんの治療は、大きく分けて次の3つの方向性があります。

  • がんを直接取り除く治療(根治治療)
  • がんの進行を抑える治療(内分泌療法など)
  • 慎重に経過を観察する治療(経過観察・監視療法)

医師は、検査結果や生活背景をもとに「どの治療方針がふさわしいか」を一緒に考えてくれます。


2. 経過観察・監視療法(Active Surveillance)

前立腺がんは進行がゆるやかなタイプも多く、すぐに治療を始めなくてもよい場合があります。
PSA値が低く、グリソンスコアが6以下などの低リスク群では、定期的に検査を行いながら経過を見守る「監視療法」が選ばれることがあります。

  • 数か月ごとにPSAやMRIをチェック
  • がんの進行が見られた時点で、治療を開始

この方法は「がんと共に生きる」という考え方に近く、生活の質(QOL)を保ちながら過ごすことができます。
ただし、定期的な検査を欠かさないことが大切です。


3. 手術療法(前立腺全摘除術)

がんを根本的に取り除く治療の一つが、手術による前立腺全摘除です。
前立腺と精嚢を取り除き、尿道を再びつなぐ手術です。

主な方法

  • 開腹手術(お腹を開いて行う)
  • 腹腔鏡手術(小さな穴からカメラと器具を入れて行う)
  • ロボット支援手術(ダ・ヴィンチなど)

最近はロボット支援手術が増えており、出血が少なく回復が早い傾向があります。

メリット

  • がんを根本的に取り除ける可能性がある
  • 再発リスクが低くなる

注意点

  • 一時的な尿漏れや勃起障害(ED)が起こることがある
  • 手術後も定期的なPSA検査が必要

4. 放射線治療

放射線を前立腺にあてて、がん細胞を破壊する治療です。
手術を行わずに根治を目指せる方法として多くの方に選ばれています。

種類

  • 外照射(体の外からあてる)
  • 小線源治療(前立腺内に放射線の種を埋め込む)

外照射は数週間にわたって通院して行うのが一般的です。
小線源治療は一度の処置で済む場合があり、仕事を続けながら受ける方もいます。

メリット

  • 体への負担が比較的少ない
  • 高齢の方や持病のある方にも適応できる

注意点

  • 一時的に排尿・排便に違和感が出ることがある
  • 効果の判定に時間がかかる

5. ホルモン療法(内分泌療法)

前立腺がんは、男性ホルモン(テストステロン)の影響で増える性質があります。
そのため、男性ホルモンの働きを抑える薬を使って、がんの進行を遅らせるのがホルモン療法です。

方法

  • 注射でホルモンの分泌を抑える
  • 内服薬でホルモンの作用をブロックする

転移がある場合や、再発後の治療としてもよく行われます。

メリット

  • 体への負担が少なく、外来で治療可能
  • 他の治療と併用しやすい

注意点

  • 長期間の使用で、ほてり・骨粗しょう症・体重増加などの副作用が出ることがある
  • 完全にがんをなくす治療ではなく、抑えることが目的

6. 化学療法(抗がん剤)

ホルモン療法が効きにくくなった場合などに、抗がん剤を使う治療が行われることもあります。
点滴や内服薬でがん細胞の増殖を抑える治療です。

副作用の出方には個人差があり、最近は副作用を軽減する薬も発達しています。
体力や希望に応じて、主治医と慎重に方針を話し合うことが大切です。


7. 生活の質(QOL)を考えた選択を

治療法がいくつもあると、どれを選べばよいか迷う方も多いでしょう。
治療の目的は「がんを治すこと」だけではなく、その後の生活をどう過ごすかにもあります。

  • 仕事や家庭を続けたい
  • なるべく入院を避けたい
  • 性機能を保ちたい
  • 痛みなく穏やかに過ごしたい

どんな希望も、治療の選択において大切な視点です。
医師とよく相談し、納得できる治療方針を一緒に考えていきましょう。


8. 治療とともに考えたい「将来への備え」

治療が始まると、体調や生活スタイルが変化します。
そんなときこそ、**「もしもの時にどうするか」**を整理しておくことが安心につながります。

  • ご家族への思いをまとめる「遺言」
  • 将来の判断能力低下に備える「任意後見契約」
  • 医療や介護の希望を伝える「尊厳死宣言」

これらは法的にサポートを受けられる手続きであり、治療を受けるあなた自身とご家族を守る仕組みです。


補足

本記事は、前立腺がんの治療法について一般的な情報をわかりやすくまとめたものです。
個々の病状や治療方針は、患者さんの体調や希望によって大きく異なります。
具体的な診断・治療内容については、必ず主治医や医療機関にご相談ください。

法的な備え(遺言や任意後見契約など)に関するご相談は、行政書士などの専門家がサポートいたします。
安心して治療に向き合うための一助として、こうした制度を知っておくことも大切です

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