知っておきたい生前の手続きと、亡くなった後の「準確定申告」
◆ はじめに
高齢の方や、がん治療・慢性疾患で通院が続いている方は、医療費控除などで確定申告が必要になる場面が増えます。
しかし突然の入院や、認知機能の低下により「自分で申告できなくなる」ケースも珍しくありません。
そして万が一亡くなった場合、家族には「準確定申告」という大切な手続きが発生します。
実は、遺言書の有無がこの手続きを大きく左右することをご存じでしょうか?
① 生前に知っておきたい確定申告のポイント
- 年金+パート収入のある方
- 医療費が多い方
- 介護サービスを利用している方
こうしたケースでは、申告をすると税金が戻ることも多くあります。
特に治療中の方は、通院交通費・医療用器具など、申告すれば還付される費用が意外と多いものです。
② 入院・療養で申告が難しくなることも
長期の入院や体調悪化で、毎年の申告が難しくなる例はよくあります。
家族が代わりにできる手続きもありますが、税務署への申告は原則本人行為のため限界があります。
そのため、
- 領収書の保管
- 書類の整理
- 家族への情報共有
を早めに進めておくことが大切です。
③ 万が一の場合に必要な「準確定申告」
亡くなった方については、相続人が代わりに確定申告を行う必要があります。
これを 準確定申告 といいます。
- 期限:死亡から4か月以内
- 手続きする人:相続人全員の連名
- 必要書類:医療費、年金情報、源泉徴収票、通帳など
医療費の領収書を処分してしまうと、数十万円単位の還付を受けられないこともあります。
④ 準確定申告を怠ると…
- 延滞税・加算税の対象
- 銀行手続き・相続税申告にも影響
- 相続人同士の負担割合でトラブルになる可能性
準確定申告は「遺産分割より先に終わらせること」が理想です。
⑤ 遺言書があると、手続きがスムーズに
遺言書で「遺言執行者」を指定しておくと、通帳・書類の整理がスムーズになり、準確定申告の負担が大きく軽減されます。
また、
- 医療費の領収書の保管場所
- 年金通知書や保険の情報
などをエンディングノートにまとめておくだけで、家族が非常に助かります。
⑥ 家族が困らないために
- 医療費・領収書の整理
- 申告書類の保管
- 代理でできる/できない手続きの把握
- 体調が落ち着いているうちの遺言作成
これらの準備は、医療環境の変化が起きやすい方ほど重要です。
■まとめ
確定申告は「毎年の手続き」ですが、遺言や相続と深くつながっています。
特に、準確定申告は家族が短期間で行わなければならない負担の大きい手続きです。
生前の整理と遺言書の作成は、家族にかかる負担を大きく減らしてくれます。
医療環境が変わる前の早めの準備をおすすめします。
