年金・扶養・医療費と関わる「確定申告」と、相続が発生したときの注意点
◆ はじめに
パートで働く方は、勤務時間や収入が年によって変動しやすく、確定申告が必要なケースと不要なケースが複雑になりがちです。
そして突然の病気・入院・相続が起きたとき、税金や手続きの負担が家族に集中してしまうことがあります。
本記事では、パートタイマーの方に特に多い「確定申告のポイント」と、もしものときの「準確定申告」、遺言との関係をわかりやすくまとめます。
① パート収入でも申告が必要なケース
パートの場合、勤務先が源泉徴収しているため「確定申告はいらない」と思われがちですが、次のような方は申告が必要・またはした方が得です。
■ 申告が必要になる主なケース
- 年末調整をしていない職場で働いている
- 2か所以上で働いている(ダブルワーク)
- 年間の給与収入が103万円を超える場合
- 医療費控除を使いたい場合
■ 申告すると得をするケース
- 医療費が5万円〜10万円以上かかった年
- 扶養内で働きつつ、源泉徴収されている
- パート+少額の年金を受け取っている
医療費控除によって数万円の還付が出ることもあり、該当する年は申告がメリットにつながります。
② 繁忙期のシフト・体調不良で申告できないことも
パートタイマーの方は、確定申告の時期(2〜3月)が繁忙期に重なることが多く、
「行こうと思っていたのに行けなかった」
という相談もよくあります。
さらに、
- 介護
- 持病の悪化
- 入院
などで申告ができないケースも増えています。
そのため、
- 領収書・源泉徴収票の保管
- 家族への書類の所在共有
- 申告が必要な年かどうかのチェック
を日ごろからしておくと安心です。
③ もしものときに家族が行う「準確定申告」
パートとして働いていた方が亡くなった場合、家族は 準確定申告(死亡後4か月以内) を行う必要があります。
■ 必要となる書類
- 源泉徴収票
- 医療費の領収書
- 通院交通費の記録
- 生命保険・年金の受取情報
- 残っている給与の支払明細
年間10〜30万円ほどの医療費控除が出るケースもあるため、領収書の整理は非常に重要です。
④ パートだからこそ起きやすい相続時のトラブル
パート収入は少額でも、その年の収入・控除内容によって申告の必要性が変わるため、家族が把握しづらいのが特徴です。
よくある例として、
- 医療費控除が取れるのに領収書が見つからない
- ダブルワークの片方の源泉徴収票がない
- 医療保険の入院給付金を申告していない
- 扶養の範囲を家族が正しく理解していない
こうした問題が「準確定申告の遅れ」「税金の追徴」に発展するケースもあります。
⑤ 遺言があると、家族の負担は大きく減る
パートタイマーとして働いている方も、
- 医療費控除の領収書
- 源泉徴収票
- 保険証券
- 通帳
などの所在を遺言付随のエンディングノートにまとめておくと、準確定申告・相続手続きが非常にスムーズになります。
また、遺言書で「遺言執行者」を決めておくことで、
- 書類探し
- 口座整理
- 各種手続き
の進行が格段に早くなり、家族の負担を減らすことができます。
■まとめ
パートタイマーの方は、収入や控除の状況が年ごとに変わるため、確定申告の必要性が見落とされがちです。
しかし、もしものときには家族が準確定申告を行う必要があり、生前の情報整理が大きな助けになります。
遺言書とエンディングノートは、こうした「事務手続きの負担」を軽減するための大切な準備です。
医療費・書類の整理が必要な方や、体調に不安がある方は、早めの対策をおすすめします。
