◆ 事例:末期がんの母が口頭で遺言を残したが…
登場人物
- 母(故人):72歳。末期がんで入院中に死亡。
- 次男:同居して看病をしていた。
- 長男:別居。実家とは疎遠。
- 遺言書:入院中、病室で母が「家は全部次男に」と口頭で伝えた。次男がその内容をメモに残していた。
状況
母の死後、次男が「母の遺言がある」と主張し、そのメモを基に手続きを進めようとしましたが、正式な遺言書(自筆・公正証書など)は存在していないことが判明。
トラブル発生
長男は「その話は聞いていない」「母は亡くなる数日前は意識ももうろうとしていた」と反論。口頭やメモ書きでは正式な遺言とは認められず、家庭裁判所で遺産分割調停となりました。
結果
母の遺産は法定相続分どおり、長男・次男が半分ずつ相続することに。
◆ 専門家からのポイント解説
このケースでの問題点:
- 遺言能力があるうちに正式な遺言書を作成していなかったこと
- 口頭や非公式なメモでは法律上の効力がないこと
- 死亡直前の意思表示は、判断能力や証明力が弱く扱われがち
◆ こうしたトラブルを防ぐには?
✅ 元気なうちに 公正証書遺言を作成
✅ 家族や相続人に「遺言の存在」と「その意図」を伝えておく
✅ 行政書士などの専門家に相談して法的に有効な形に整える
まとめ
「いつか」は突然訪れるもの。特に高齢や病気の方が遺言を作成する際は、意思能力の有無が後に争点になる可能性が高いため、できるだけ早く・正確な手続きを進めることが大切です。

