遺言作成ガイド ~家族に想いを伝えるために~

第6弾:「認知症になったら」遺言はどうなる?

「いつかは書こう」と思いながらも、つい先延ばしにしてしまう遺言書。
しかし、健康状態や判断力が変わったとき、遺言の“有効性”に大きな影響が出ることをご存じでしょうか?
今回は、認知症と遺言書の関係についてわかりやすく解説します。


■ 遺言に必要なのは「意思能力」

遺言書が有効と認められるためには、作成時に遺言者本人が自分の判断で書いたことが必要です。
つまり、「意思能力(いしのうりょく)」があるかどうかが重要になります。

意思能力とは…
自分が何をしているのか、財産の内容や相続の意味を理解できている状態のことです。


■ 認知症=即無効ではない

誤解されやすいのですが、「認知症=遺言が無効」とは限りません。
認知症と診断されていても、**症状に波があり、判断力が一時的に戻る「まだら認知症」**というケースもあります。

作成時点で意思能力があれば、遺言は有効とされる可能性があります。

ただし、有効性を証明するには医師の診断書や公正証書での作成が重要になります。


■ 遺言が「無効」とされるリスク

本人の状態が悪化してから作成した遺言は、後になって**「無効だ」と争われる**可能性があります。
とくに、財産の配分が偏っている場合などは、他の相続人から異議を唱えられることも。

このようなトラブルを避けるには、元気なうちに作成することが最大の防御策になります。


■ 公正証書遺言で「安心」を残す

判断力に不安がある場合は、**公証人と証人の立ち合いで作成する「公正証書遺言」**が適しています。
作成の過程で本人の意思能力が確認されるため、無効になりにくく、信頼性が高いのが特長です。

医師の診断書とともに作成すれば、さらに確実です。


■ まとめ:思い立ったら、今が最適なタイミング

判断力が十分なうちに、自分の言葉で「家族への想い」を形にする。
それこそが、将来のトラブルを防ぎ、安心を届ける遺言書の本質です。


次回(第7弾)のテーマは
「遺言執行者って何をする人?」
遺言の内容を実現する役割と、選任のポイントを解説します。

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