遺言を作成しておくべき理由とは?
結婚して長年連れ添った夫婦にとって、将来の財産のことはとても大切な問題です。
特に「子どもがいない夫婦」の場合、思わぬ人が相続人になりうるということをご存知でしょうか?
今回は、子どもがいない夫婦における相続の仕組みと、遺言書の必要性について解説します。
1.子どもがいないと「配偶者だけ」が相続人ではない?
夫婦に子どもがいない場合、亡くなった方(被相続人)の財産は、**配偶者と、被相続人の「親」や「兄弟姉妹」**が相続することになります。
【相続の優先順位】
- 子ども(または孫などの直系卑属)
- 両親(直系尊属)
- 兄弟姉妹
子どもがいなければ、両親または兄弟姉妹が相続人となるのが法律の決まりです。
2.具体例:兄弟姉妹が相続人になるケース
たとえば…
- Aさん(70歳)と配偶者Bさん(68歳)は子どもがいない
- Aさんの両親はすでに他界
- Aさんには2人の兄弟がいる
この場合、Aさんが亡くなると、Bさん(配偶者)が3分の2、Aさんの兄弟2人が残りの3分の1を分けて相続することになります。
Bさんは「全部もらえる」と思っていたのに、実際にはAさんの兄弟に財産の一部を渡さなければならない――
このようなことが、現実に起こります。
3.問題が起きやすい理由
- 兄弟姉妹が高齢だったり疎遠だったりして、連絡がつきにくい
- 相続にかかる手続き(遺産分割協議)がスムーズに進まない
- 「配偶者が全部もらえるべき」と思っていたBさんにとって、精神的にも経済的にも負担
4.遺言があれば、すべて配偶者に残すことができる
このようなトラブルを避けるために有効なのが、「遺言書」です。
遺言で、「全財産を配偶者に相続させる」と記載しておけば、兄弟姉妹には遺留分(最低限の取り分)がないため、法的に配偶者がすべて相続することが可能になります。
【ポイント】
- 遺言がないと、兄弟姉妹にも相続権あり
- 遺言があれば、配偶者にすべてを託せる
- 家・預金などの資産を守るためにも、生前に意思を明確にしておくことが重要
5.どんな遺言が望ましいか?
✅ 自筆証書遺言
・手軽に作れるが、書式不備や紛失に注意
・法務局の保管制度を使えば少し安心
✅ 公正証書遺言(おすすめ)
・公証人が作成・保管し、法的に確実
・検認手続き不要で、相続時もスムーズ
高齢期に入った夫婦の場合、公正証書遺言の方が安全性が高くおすすめです。
まとめ:大切な人を守るための遺言
子どもがいない夫婦にとって、遺言は**「残された配偶者を守るための愛情の形」**ともいえる存在です。
「家族に余計な手間や争いを残したくない」
「せめて配偶者には安心して生活してほしい」
そんな思いがあるなら、早めの遺言作成がベストな選択です。
迷ったら、一度行政書士など専門家に相談してみましょう。きっと、あなたとご家族に合った方法が見つかります。

