【想定事例】「伝えた“声”が家族を導いた」
~公正証書遺言が実現したALS患者の想い~
千曲市に住むDさん(60代男性)は、ALSと診断された翌年、口述による公正証書遺言を作成しました。
理由は、「自分の気持ちを、確かな形で家族に伝えておきたかったから」。
❖ 病状の進行と決意
Dさんは診断から1年ほどで言葉を発しにくくなり、
家族との会話も文字盤を用いたものに変わっていました。
この時期、Dさんは自宅の相続を巡って不安を抱えていました。
- 妻と長男が住んでおり、生活の基盤になっている
- 次男は遠方に暮らしており、将来的な相続トラブルを避けたい
- 自分の死後も、家族が安心して暮らせるようにしたい
❖ 公証役場での対応
Dさんは、行政書士を通じて、公証役場と打ち合わせ。
音声による発話が難しくなっていたため、文字盤による意思表示を用い、
公証人と2名の証人が丁寧に本人の意思を確認しました。
作成された公正証書遺言には、以下の内容が盛り込まれていました:
- 自宅の土地建物は妻に相続させる
- 長男には生活支援の預金を一部
- 次男には特定の金融資産を指定し、「自宅を継がないことに感謝する」と記載
❖ 家族の反応とその後
Dさんは亡くなったあと、遺言どおりに相続が進み、
家族間でのトラブルは起こりませんでした。
次男は「父の想いを知れてよかった」と語り、
妻と長男は「生活の拠点が守られたことに感謝している」と話しました。
❖ ALS患者が遺言を遺す意義
Dさんのように、ALS患者であっても、
早期に準備し、法的な形で意思を伝えることが可能です。
- 言葉が出なくても、気持ちは伝えられる
- 公正証書遺言という方法が、その力になる
ALSの進行は避けられないものですが、
「伝えられなくなる前に、しっかり伝える」ことで、
家族にとっての“道しるべ”を残すことができます。
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