「前妻の子どもたち」と「今の家族」──伝えないと残る“相続の火種”
◆ 想定ケース
長野市在住のFさん(68歳・男性)は、10年前に再婚し、現在の奥様と2人暮らし。
前妻との間に成人した子どもが2人おり、離婚後は交流がほとんどありません。
自宅名義はFさん単独で、預貯金も自身の口座にまとまっていました。
ある日、定期健診で前立腺がんが見つかり、治療方針を考える中で、「もしもの時、財産は誰にどう渡るのか」が気になり始めます。
◆ 背景と問題点
Fさんが遺言書を残さずに亡くなった場合、
→ 相続人は「前妻の子ども2人」と「現在の配偶者」となります。
家族間で交流がない状態で相続手続きが発生すると…
- 財産の分割協議がまとまらない
- 現在の配偶者が住み続けることが難しくなる
- 関係が悪化し、感情的な対立に発展
このように、Fさんの“意思”が書面で明確に残されていないと、相続は制度に従って粛々と進むため、かえって家族を混乱させることになります。
◆ 遺言書でできる対応
Fさんのようなケースでは、
- 現在の配偶者に自宅と預貯金の大部分を相続させる
- 前妻の子どもに一定額の遺贈を行う(感情的配慮として)
- 遺言執行者を指名して、スムーズな手続きを確保
これらを公正証書遺言として明文化することで、
後のトラブルを防ぎ、家族関係のバランスにも配慮できます。
◆ 医療と法務の視点から
治療の経過を見ながら意思能力に問題がないうちに準備することが、精神的な安心にもつながります。
また、**がん種や治療計画の見通しにより、遺言作成の“適切なタイミング”**は人それぞれです。
当職では、医療現場への理解を活かし、無理のない計画的な遺言作成をサポートしています。
◆ まとめ
✅ 再婚家庭では、旧・新家族が相続人として重なりやすく、事前整理が不可欠
✅ 書面にして初めて「意思」として法的に有効になる
✅ 家族に“想い”を正しく残すため、元気なうちに遺言書を作成しましょう

