【医療と法務|脳卒中 第8回】

【想定事例】「亡くなったあとのことも、全部準備してくれていた」

~死後事務委任契約が支えた“静かな最期”~


千曲市にお住まいだったHさん(82歳・女性)は、
脳出血による片麻痺と構音障害が残る状態で療養生活を続けていました。
ご家族とは離れて暮らしており、「亡くなった後のことは誰にも迷惑をかけたくない」と、
死後事務委任契約と遺言、公正証書による任意後見契約を元気なうちに整えていました。


❖ 最期の入院、そして死後の手続き

Hさんは、療養中に肺炎を併発し入院。
3週間後、容体が急変し、静かに息を引き取りました。
事前に契約していた内容に基づき、当事務所が死後事務を実行。

  • 医療機関への連絡と死亡診断書の受領
  • 役所への死亡届提出と火葬許可取得
  • 依頼していた葬儀社による火葬・納骨の実施
  • 家賃の精算、公共料金の解約、家財整理の手配
  • 預託金を用いた各支払いの清算
  • 遺言に基づき、財産を妹さんへ引き渡し

❖ 遺されたご家族の声

「姉は最後まで自分の意思を持って人生を締めくくったんだと思います。
私はただ見守るだけで済みました。感謝しかありません」


❖ 「誰に、何を託すか」を明文化していたからこそ

Hさんのケースでは、以下の契約が効果的に機能しました。

  • 任意後見契約:判断力が落ちた後も、施設入所や療養契約を本人の意思に沿って実施
  • 遺言:財産の分け方を明確にし、トラブルを防止
  • 死後事務委任契約:葬儀・納骨・公共解約・清算までを一貫して信頼できる人に委任

これらを公正証書で整えていたことで、
親族にも行政にも「誰が責任をもって対応するか」が明確になり、混乱なく支援が完了しました。


❖ 死後事務委任契約は「死後の安心のカタチ」

  • 遺された人が迷わずに済む
  • 自分の希望を確実に実現できる
  • 財産の問題と生活の問題を分けて整理できる

「人生のエンディング」に、自分自身の意志で設計できるこの制度は、
高齢の方だけでなく、若年で病気を抱える方にも注目されています。


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