事例概要
長年内縁関係にあったSさん(70代男性)とMさん(60代女性)は、事実婚のまま30年以上同居し、生活を共にしてきました。Sさんには前妻との間に成人した子が2人いますが、現在の生活や介護はMさんが担っていました。
Sさんは「自分が亡くなったあと、Mが安心して暮らしていけるように財産の一部を遺したい」と考え、公正証書遺言の作成を決意しました。
遺言の主な内容
- 自宅不動産をMさんに遺贈
- 預貯金の一部もMさんに遺贈
- 子どもたちには、遺言の主旨を付言事項で丁寧に説明
- 遺言執行者を第三者に指定し、円滑な執行を図る
遺言によって実現できたこと
- 法定相続人ではないMさんにも確実に財産を渡すことが可能に
- 子どもたちへの理解を促す付言によりトラブルの未然防止
- Mさんの生活基盤(住まい・生活費)を法的に担保
解説:内縁関係と遺言
- 内縁の配偶者には相続権がありません(法律上の相続人ではない)
- 遺言がなければ、内縁配偶者は財産を受け取れない可能性が高い
- 「住む家」「生活費」など、最低限の安心を遺すには遺言が必須
ポイント
- 遺言で「遺贈」を指定すれば、相続人以外の人へ財産を託すことが可能
- 付言事項で背景や想いを伝えることで、遺された家族への理解を得やすくなる
- 財産の分け方だけでなく、誰がどんな立場で遺志を支えるのかも明確に

