遺言がなかったために…

仲の良かった兄弟が“絶縁”した相続トラブル


◆ 導入

「うちは家族仲が良いから大丈夫」
「相続財産もそんなに多くないし、遺言なんて不要」

…そう考えて遺言を残さなかった結果、兄弟同士が絶縁状態にまで発展するケースが実際に起きています。
ここでは、“遺言がないこと”のリスクを実例をもとに解説します。


◆ 想定事例|長野県内・K家の場合

Kさん(82歳・男性)は、妻に先立たれ、自宅で一人暮らし。
子どもは3人(長男・次男・長女)で、全員独立して県外在住。

Kさんは特に財産について話すこともなく、遺言を作らずに他界しました。
財産は、築50年の一戸建て(固定資産評価額900万円)と、わずかな預金。

しかし相続が始まると…


◆ 争いの経緯

  • 長男「自分が実家の管理をするのだから、自宅は当然もらいたい」
  • 次男「長男だけに不動産を渡すのは不公平。売って分けるべき」
  • 長女「金額は小さくても、自分の取り分は主張したい」

👉 実家は共有名義にできず、売却か単独相続の2択
👉 長男が感情的になり、次男と口論
👉 結局、弁護士を介して遺産分割調停
👉 裁判後、兄弟の関係は完全に断絶


◆ 専門家の視点からの教訓

  • 遺言があれば、「誰に」「何を」渡すかが明確になり、争いの大半は避けられる
  • 不動産のように分けにくい財産こそ、遺言による明確な指定が重要
  • 家族の“気持ち”ではなく、法的な仕組みで対応することが防衛策になる

◆ 医療と法務の視点から

療養中や高齢の方は、「まだ元気だから」と遺言作成を先送りしがちですが、
判断能力があるうちに備えておくことが、ご本人の想いを守る唯一の方法です。

また、治療や介護に関わった家族に配慮する遺言の作成は、
他の相続人への理解を促す“橋渡し”にもなります。


◆ まとめ

✅ 家族関係が良好でも、遺言がなければ争いが起きることがある
✅ 特に不動産を含む相続では“分けられない”ことが火種になる
✅ 遺言は、ご自身の想いを法的に確実に残す「家族への最後の手紙」

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です