【想定事例】認知症のリスクを考えた遺言

~判断能力があるうちに備えるという選択~


事例概要

須坂市にお住まいのCさん(78歳・男性)。
妻に先立たれ、現在は一人暮らし。
3人の子どものうち長男は県外に在住、次男と長女は地元にいます。
最近物忘れが増え、病院で「軽度認知障害(MCI)」と診断されました。
「今のうちにできることをしておきたい」と相談に来られました。


相談時の課題

  • 判断能力が低下すると、遺言書が無効になる可能性
  • 財産内容や意向が曖昧だと、子ども同士の解釈の違いからトラブルに発展
  • 今後、認知症が進行した場合には自分の意思で手続きができなくなる

行った対策

  • 医師の診断書を取得し、意思能力が十分ある時点での遺言作成を証明
  • 公正証書遺言を選択し、公証人と証人立会いのもとで作成
  • 内容を明確化し、
     「自宅は長女に、預貯金は3人で分ける」など、
     将来の争いを避けるよう具体的に記載
  • 「付言事項」にて、
     それぞれの子への感謝と、円満な相続を願うメッセージを添付

結果

  • 公証役場で正式に作成されたため、法的に有効で確実な遺言が完成
  • 子どもたちも父の思いを尊重し、円滑に手続きを進めることができた
  • 後日、Cさんは安心して「これでようやく肩の荷が下りた」と笑顔を見せた

解説:認知症と遺言の関係

  • 遺言書は「意思能力」があるうちでないと作成できません
  • 認知症が進行すると、内容の理解や判断が難しくなり無効リスクが高まる
  • 医師の診断書を添えることで、作成当時の能力を客観的に証明できる

ポイント

  • 遺言書作成は「元気なうち」ではなく、「元気なうちにこそ」
  • 医療と法務の連携により、有効な遺言を確実に残すことが可能
  • 公正証書遺言を選ぶことで、判断能力の有無が問われるリスクを最小化できる

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