還付金はいくら戻る?
― 目安の計算方法と、戻りやすいケースを解説 ―
医療費控除を使うと、支払った医療費の一部が税金として戻ってきます。
しかし「どのくらい戻るのか?」が分かりづらいという声が非常に多くあります。
ここでは、誰でもわかるように、還付額の目安(概算) を紹介します。
① 医療費控除で戻るお金は “所得税+住民税”
医療費控除は、つぎの2つの税金が軽くなることで“実質的な還付”が生まれます。
■ A:所得税(確定申告で直接戻る)
■ B:住民税(翌年の住民税が安くなる)
両方を合わせた金額が「実際に戻る(軽くなる)お金」です。
② 還付の計算はとてもシンプル
▼ 基本の計算式
(支払った医療費 − 10万円) × 税率 = 還付の目安
※所得が200万円以下の場合は「10万円」ではなく「所得の5%」が基準。
③ 実際にいくら戻る?|年収別の目安
ここからは“実際の金額”がイメージできる表を紹介します。
◆ ケース①
医療費:30万円
所得:300万円
【計算】
(30万円 − 10万円)= 20万円
20万円 × 税率10%(所得税)= 2万円還付
住民税(10%)で 2万円減額
👉 合計 約4万円が戻る(軽くなる)
◆ ケース②
医療費:50万円
所得:400万円
(50万円 − 10万円)= 40万円
40万円 × 税率20%(所得税)= 8万円還付
住民税(10%)で 4万円減額
👉 合計 約12万円のメリット
◆ ケース③
医療費:100万円(がん治療などで高額)
所得:500万円
(100万円 − 10万円)= 90万円
90万円 × 税率20%(所得税)= 18万円還付
住民税(10%)で 約9万円減額
👉 合計 27万円前後のメリット
④ 還付が多くなる人の特徴
医療費控除は、次のような人ほど戻りが大きくなりやすい制度です。
■ ① 医療費が高額な人
- がん治療
- 入院・手術
- 高額薬剤
- 難病・慢性疾患
■ ② 扶養家族が多い人
家族の医療費をまとめて申告できるため、大きな金額になることがあります。
■ ③ 所得税率が高い人
所得税の税率が高い人(20%〜23%)ほど還付が大きくなります。
⑤ 注意:医療保険からの給付金は差し引き
医療保険・がん保険の入院給付金や手術給付金は、
医療費から差し引いて計算 します。
例)
医療費50万円 − 入院給付金10万円 = 40万円が控除対象額
⑥ 還付が減る “よくある勘違い”
医療費が多くても、以下の理由で控除額が大きく減るケースもあります。
- 経費にならない領収書を混ぜている
- 通院のガソリン代は対象だと思っていた
- 美容系の支出を含めていた
- 保険金の受け取りを申告していない
- 領収書が無くなっている
- 家族の医療費を入れ忘れている
医療費控除は 正確に整理できないと損をしやすい制度 です。
⑦ 亡くなったあとは「準確定申告」で還付を受けられる
本人が亡くなっていても、その年に支払った医療費については
相続人が還付を受けることができます。
必要書類も多く、領収書が無いと数万円〜数十万円の還付を逃すことになるため、
- 領収書を整理して保管
- 家族に保管場所を共有
- 遺言で遺言執行者を決めておく
ことが役に立ちます。
■まとめ:医療費が多い年は、必ずチェックを
医療費控除は、
医療費が多い人を支えるための非常に重要な制度 です。
そして実際には、
- 数万円
- 多い人では20万円以上
が戻ることがあります。
医療費が多かった年、治療が続いている年は、必ず確定申告で還付の可能性を確認してみてください。
また、突然の入院・相続の際に家族が困らないよう、書類の整理と遺言の準備も大切です。
