― 早めに知っておきたい制度と生活の安心の作り方 ―
がんと診断されると、治療だけでなく「仕事」「お金」「生活」についてさまざまな不安が生まれます。
とくに社会制度や手続きは複雑で、
「何を、いつ、どこに申請すればいいのか分からない」
という声が非常に多く聞かれます。
ここでは、がんと診断された後に利用できる代表的な制度を一般的な範囲で分かりやすくご紹介します。
1. 高額療養費制度
治療費が高額になる場合、自己負担額を軽減できる制度です。
●ポイント
- 医療費が一定額を超えると、超えた分が払い戻される
- 事前に「限度額適用認定証」を取得すると、窓口負担を軽減できる
- 世帯の所得によって限度額が変わる
治療が長く続く場合、とても心強い制度です。
2. 傷病手当金(会社員・公務員の方など)
休職して収入が減った場合に、給与の一部を補う制度です。
●ポイント
- 健康保険に加入している方が対象
- 連続する3日間の休み後、4日目から支給
- 原則、給与の約2/3が支給される
- 申請には医師の証明が必要
がん治療は通院・入院を繰り返すことも多いため、仕事との両立を支える制度として重要です。
3. 障害年金
一定の障害状態になった場合に受けられる公的年金です。
●ポイント
- がんによる症状や治療の影響(倦怠感、歩行困難、排泄機能の障害など)が対象になる可能性あり
- 初診日の保険加入状況が重要
- 受給の可否は等級や症状の程度によって決まる
がん患者さんでも該当するケースがあり、申請を検討する価値があります。
4. 医療費控除(確定申告)
一定額以上の医療費を支払った場合、所得税の負担が軽減されます。
●ポイント
- 自分と家族の医療費が対象
- 通院のための公共交通費も含まれる場合あり
- 領収書や明細の整理が大切
治療が長期化すると医療費の合計が大きくなるため、早めに整理しておきたい手続きです。
5. 就労支援・相談窓口の活用
がん治療と仕事の両立に関する相談先が全国に整備されています。
●代表的な相談先
- がん診療連携拠点病院の相談支援センター
- 社会保険労務士・産業医
- 自治体の就労相談窓口
「退職すべきか」「働き方をどう調整するか」といった悩みにも対応しています。
6. 生活面でのサポート制度
- 介護保険(一定条件で利用可能)
- 障害者手帳
- 住宅改修や福祉用具の支援
- 自治体の独自助成
利用できる制度は年齢や症状によって異なります。
7. 法的な準備として検討される手続き(一般論)
治療が続く中で、生活面を整理したいと相談される方もいます。
- 遺言書の作成
- 任意後見契約(判断能力が低下した時の備え)
- 財産管理委任契約(治療で動けない時の事務手続きの依頼)
- 医療や介護に関する意思表示(本人の希望を家族に伝えるため)
これらは、治療の不安を少しでも軽くするための「生活の備え」として活用されます。
8. 補足
本記事は、がんと診断された後に利用できる制度に関する一般的な情報です。
制度の利用可否や手続きの詳細は、加入している保険の種類、収入、治療内容などによって異なります。
具体的な判断は、専門窓口や担当者への確認が必要です。
