はじめに
古物商として営業していると、「この商品、なんだか怪しい…」と感じるケースも出てきます。
実は、古物営業法では盗難品や疑わしい品(=疑義品)を扱った場合の対応義務が明確に定められています。
本記事では、盗難品・疑義品を扱う場面における法律上のルールと、適切な実務対応について解説します。
疑義品とは?
- 商品が盗難品・遺失物である疑いがある場合のこと
- 買取の際、商品や相手に「不自然さ」を感じた場合など
- 明確な盗難品でなくても、少しでも疑いがあれば対応が必要です
古物営業法で定める義務
**第21条(疑義品の取扱い)**に基づき、次の義務があります:
- 取引を一旦中止しなければならない
- 最寄りの警察署へすみやかに届け出る義務あり
- 警察の指示があるまで、商品を保管し処分してはいけない
よくある疑義のサイン
| ケース | 注意ポイント |
|---|---|
| 顧客が身分証を出したがらない | 本人確認の回避=リスク高 |
| 商品の型番やシリアルが削られている | 所有の正当性が疑わしい |
| 高額商品を相場よりはるかに安く持ち込む | 出所に不自然さあり |
| 顧客が急いで売却したがっている | 慌てた態度=問題隠しの可能性 |
実務での対応フロー(例)
- 違和感に気づいたら即取引停止(「一度確認します」と中断を)
- 必ず商品と顧客情報をメモ(本人確認は済ませておく)
- 最寄りの警察署へ連絡・相談(担当官の名前も控える)
- 指示があるまで商品を保管し、販売・転売しない
- 万一盗難品だった場合も、誠実な対応をすれば処罰対象にはならない
注意:黙認・販売は重い罰則の対象
- 故意に盗品と知っていた場合:10年以下の懲役または50万円以下の罰金(刑法256条)
- 疑義があるのに取引を進めた場合も、営業停止など行政処分の可能性あり
- 信頼を失えば、再起は非常に難しくなります
トラブルを未然に防ぐために
- 普段から本人確認・商品チェックを徹底する
- スタッフ教育で「おかしいと感じたら止める」習慣を
- 警察との連携はリスク管理の一部と考える
まとめ
古物商にとって、疑義品を「見逃さない」「正しく対応する」ことは社会的な責任です。
- 少しでも不審なら取引中止・警察へ報告
- 自分を守るだけでなく、被害者を守る行動でもあります
- 正しい対応が、信頼ある古物商への第一歩です


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