知らなかったでは済まされない?

古物営業の実務

古物商が気をつけたい「盗品」のリスクと注意義務


はじめに

中古品を扱う古物商にとって、**「盗品を仕入れてしまう」**というリスクは常につきまといます。
古物営業法では、古物商に対して「盗品等でないか、十分に確認する注意義務」が課せられており、違反すると重い責任を問われる可能性もあります。

この記事では、盗品への対応、善意取得の限界、そして仕入時に気をつけたいポイントについて解説します。


1.盗品と知らずに仕入れたらどうなる?

✅ 善意取得は基本的に通用しない

  • 民法192条により、「盗品・遺失物」は盗難・遺失から2年間は元の持ち主が返還請求可能
  • 商取引であっても、「知らなかった」では済まず、仕入れた商品を返却しなければならない
  • 対価(仕入代金)も戻ってこないことがある

2.古物商の「注意義務」とは?

✅ 古物営業法第15条

古物商は、取引の際に「盗品等であると疑うに足りる相当な理由」がある場合、その真偽を確認する義務があります。

✅ 疑わしい状況の例

  • 相場より明らかに安い価格での持ち込み
  • 本人確認を拒否する
  • ブランド品などに破損・刻印削りなどの異常あり
  • 頻繁に高額商品を持ち込む同一人物

このような場合は、買い取らずに警察に相談するのが原則です。


3.盗品であることが発覚した場合の流れ

  1. 商品引渡しの要求(被害者・警察から)
  2. 商品の押収・証拠保全(刑事事件の一環)
  3. 古物商が返還義務を負う場合がある(善意でも)
  4. 古物商に故意・過失が認定されると、処分対象となる

4.「善意」でも罰せられることがある?

✅ 古物営業法違反

  • 注意義務違反:6か月以下の懲役または30万円以下の罰金
  • 帳簿不備や本人確認未実施があった場合も違反対象

✅ 業務停止命令や許可取消し

複数回違反や悪質なケースでは、古物商許可の取り消しにつながることも。


5.盗品リスクを防ぐための実務対策

  • 本人確認の徹底(免許証・マイナンバー等)
  • 商品の来歴確認(元箱・保証書・領収書など)
  • 不審な点があれば写真記録と相談(警察・行政書士)
  • 高額品はとくに慎重に(ブランド品・貴金属・スマートフォン等)

6.まとめ|信頼ある取引は確認から

古物営業は、一般の方から直接モノを仕入れるからこそ、「正しく疑う」ことが大切です。
目の前の利益よりも、長期的な信用が何よりの資産。
盗品を扱わないための知識と習慣が、安全な営業の第一歩です。


不安な取引に出会ったら、早めに警察や専門家に相談しましょう。
行政書士は、古物営業に関する法令対応・帳簿管理・リスク回避のサポートも行っています。

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