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🔷農地転用ガイド|手続き・許可の基礎知識

Case 02|「農地の一部だけを宅地にしたい」場合の注意点


■ 想定事例

中野市で果樹園を営むBさん(50代)は、代々の農地の一角に新しい自宅を建てたいと考えました。
「農地を全部ではなく、一部だけ宅地にして家を建てたい」という希望です。

ところが、市役所に相談すると「一部転用には厳しい条件があります」と言われ、
どこまでが宅地にできるのか、どんな手続きが必要なのか分からなくなってしまいました。


■ 「一部転用」は意外と複雑

農地全体を転用するよりも、一部だけ転用するケースのほうが調整が難しい場合があります。

その理由は――

  • 農地と宅地の境界を明確に区分する必要がある
  • 転用部分と残りの農地の「営農継続性」が問われる
  • 排水・通路・造成などの計画を詳細に求められる
    といった点にあります。

特に長野県では、農地保全の観点から「農地として利用を続ける部分への支障がないこと」が重視されます。


■ 対応する手続き区分

Bさんのように自分の農地の一部を住宅用に転用する場合、
「農地法第4条」の自己転用許可に該当します。

  • 対象面積が500㎡未満 → 市町村の農業委員会が許可権者
  • 500㎡以上 → 県知事許可
  • 1ha以上 → 農林水産大臣許可

つまり、「建てたい建物の規模」によっても、許可先が変わります。


■ 境界と図面がカギ

一部転用の場合、提出する図面には次の点が求められます。

  • 転用部分の位置・面積・境界線の明示
  • 残存農地との位置関係
  • 建物配置図と排水計画
  • 農道・用水路との接続状況

実際の審査では「宅地側の造成で農地に水が流れ込まないか」「農作業への支障がないか」など、
現地確認の段階で細かくチェックされることが多いです。


■ よくある誤解:「家を建てるだけだから簡単」ではない

「自分の土地に家を建てるだけだから、届出でいいのでは?」という誤解がよく見られます。
しかし、農地法では農地のまま使う限り、どんな形でも“転用”に該当します。

仮に無許可で建築を進めてしまうと――

  • 工事の中止命令
  • 原状回復命令(宅地を農地に戻す)
  • 3年以下の懲役または300万円以下の罰金

といった重い措置を受けるおそれがあります。


■ 行政書士に依頼するメリット

行政書士は、現地の状況や登記内容を確認した上で、
「転用範囲」「境界」「申請区分」を整理し、申請書類を作成・提出します。

特に一部転用の場合は、図面の精度と現地整合性が求められるため、
専門家によるサポートでミスや再提出を防ぐことができます。


■ 長野県での留意点

長野県内の市町村では、「農地と宅地を併用する計画」に慎重な審査を行う傾向があります。
とくに、

  • 農業振興地域内
  • 田畑が連続している区域
    では、**「農振除外→農地転用許可」**という二段階手続きが必要になることがあります。

この場合、除外申請に半年以上、転用許可にさらに1〜2か月を要するケースも珍しくありません。

計画から実際の建築開始まで1年近くかかる場合もあるため、
早めの相談・スケジュール設計が重要です。


■ 行政書士からのひとこと

一部転用は、「土地をどう使うか」だけでなく、「残りの農地をどう守るか」も大切な視点です。
行政書士は、計画の段階から相談に応じ、農業委員会との協議を見据えた書類作成を行います。

無理のない転用計画で、安心して新しい生活を始めましょう。


■ ご相談の流れ(例)

  1. 現地確認・法的区分の調査(無料)
  2. 農振地域の有無・都市計画区分を確認
  3. 転用範囲の確定・図面作成
  4. 農業委員会との事前協議・申請書作成
  5. 許可取得後、宅地造成・建築開始

■ まとめ

農地を一部だけ転用する場合は、

  • 残りの農地との境界
  • 営農への影響
  • 区域ごとの法的制限
    を丁寧に確認する必要があります。

「農地の一部を宅地にする」計画をお持ちの方は、
申請前に行政書士へご相談ください。

農地転用ナビ長野では、現地確認から許可取得まで、
地域ごとの審査傾向を踏まえたサポートを行っています。

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