Case 03|「貸したい農地を駐車場にしたい」場合の手続きと注意点
■ 想定事例
須坂市にお住まいのCさん(70代)は、近くにアパートが増えたことをきっかけに、
「使っていない畑を月極駐車場にして、貸したい」と考えました。
知人に相談すると「貸すだけなら簡単でしょ」と言われましたが、
実際には「農地を貸して駐車場にする」には農地転用の許可が必要です。
この場合、Cさんは自分で使うのではなく、他人に貸して転用する形になります。
■ このケースで必要なのは「第5条許可」
農地法では、他人に貸したり売ったりして転用する場合、
第5条(譲渡・貸借による転用)許可が必要です。
| 転用の形態 | 条文 | 例 |
|---|---|---|
| 自分の土地を自分で転用 | 第4条 | 自分の畑を住宅にする |
| 他人に貸したり売って転用 | 第5条 | 貸した土地を駐車場にする |
Cさんのように「土地は自分のものだが、利用するのは借主」という場合は第5条にあたります。
■ 第5条許可の特徴
- 貸す人(所有者)と借りる人(利用者)の両者が申請者
- 転用目的が明確である必要がある(駐車場の区画・利用者など)
- **契約内容(賃貸借契約書案)**を提出する場合もある
- **期間を区切った貸し方(5年・10年)**を求められるケースもあり
つまり、単に「貸すだけ」のつもりでも、
契約の内容・期間・利用方法が審査対象になるのです。
■ 注意すべき「無断転用」
「貸した相手が勝手に整地して駐車場にしていた」――
このようなケースは所有者にも責任が及びます。
農地法では、無断で農地を転用した場合、
所有者・利用者の双方が処罰対象になることがあります。
✅ 「知らなかった」「貸しただけ」は通用しません。
所有者として、事前に許可を得る責任があります。
■ 許可までの流れ
- 現地調査・法的区分の確認
(農振地域、市街化区域、調整区域など) - 利用計画の作成(配置図・区画・利用目的)
- 所有者と利用者による申請書作成
- 農業委員会・県への提出
- 審査・許可後、造成・貸出開始
通常、申請から許可までは1〜2か月程度ですが、
事前協議や図面修正が必要な場合はさらに時間を要します。
■ 駐車場にする際の実務ポイント
行政書士の立場から見た、よくある注意点を挙げておきます。
- 転用部分を明確に区分する(境界・面積)
- 砂利敷きや舗装の内容を明記
- 排水や側溝の流れを確認
- 利用者の安全確保(出入口の視界など)
- 近隣との調整(騒音・照明など)
特に、水路や農道に影響が出る工事は慎重に。
長野県内では、農業用水の流れを変える行為に厳しい制限があります。
■ 行政書士に依頼するメリット
行政書士が関与することで――
- 所有者・借主双方の法的関係を整理
- 申請図面や契約書を正確に作成
- 農業委員会との調整をスムーズに実施
さらに、地域の審査傾向や除外要否を見極めた上で進めるため、
申請却下や再提出のリスクを避けることができます。
■ 長野県での審査傾向
長野県北部では、
「駐車場・資材置場などの一時的転用」は慎重な取り扱いとなっています。
市街化調整区域では、恒久的な施設化(舗装・フェンス等)を避けるよう求められる場合もあります。
一時転用(5年・10年単位)として許可を得る形も検討されます。
計画の内容によっては、転用後も農地への復元を前提とした扱いになることがあります。
■ 行政書士からのひとこと
「貸すだけだから簡単」と思われがちなケースほど、実際には書類や協議が多く、
所有者・借主双方の理解が必要です。
農地を地域資源として守りながら、有効活用するためにも、
許可取得を前提に安全な活用を進めましょう。
■ ご相談の流れ(例)
- ご相談・現地確認(無料)
- 区域区分・除外要否の確認
- 計画図・契約内容の整理
- 申請書類作成・提出
- 許可後の貸出サポート(契約書整備など)
■ まとめ
- 「貸したい農地を駐車場にする」場合は第5条許可が必要
- 所有者・借主の両者での申請が原則
- 一時転用や区域制限など、地域ごとに条件が異なる
長野県内で農地の有効活用をお考えの方は、
まずは専門家にご相談ください。
✅ 農地転用ナビ長野では、貸付・駐車場活用のケースも含め、
許可の見通し調査から書類作成まで一貫してサポートしています。