■ はじめに
農地転用についてご相談いただく中で、とても多いのがこの質問です。
「うちの登記簿の地目は“雑種地”だから、農地じゃないですよね?」
実はこれ、意外な落とし穴があります。
● 登記簿の地目
→ 法務局が管理している「登記上の地目」
● 現況(げんきょう)
→ 実際にどのように使われているかの「利用実態」
農地転用の審査では
“地目ではなく現況” が基準となるため、
登記地目が田や畑でなくても
実態が農地であれば転用許可が必要です。
この記事では、誤った判断で手続きを進めてしまう前に知っておきたいポイントを解説します。
■ なぜ「現況」で判断されるのか?
農地法の考え方では、
土地が「農地として使われているかどうか」が最重要とされています。
そのため、
- 登記上は雑種地
- でも現況は畑として耕作されている
このようなケースでは、
農地転用許可が必須 となります。
逆に、
- 登記上は田
- でも長年放置され、作物が育てられていない
こうしたケースでも、
雑草地として扱われる場合があり、判断が分かれます。
現況の判定は、市町村の農業委員会が行うため、
自己判断は危険 です。
■ 現況が農地と判断されやすいケース
● 昔ながらの畦(あぜ)が残っている
畑として使われていた形跡が明確。
● 土壌が耕されている
耕うん跡があり、雑草地とは認められない可能性。
● 周囲の土地が一帯の農地である
地域的な区画のまとまりから農地と判断される場合が多い。
● 賃貸で誰かが耕作している
自分で使っていなくても、利用実態があれば農地扱い。
■ 「地目なら大丈夫」と誤解して起こるトラブル
● トラブル1:無許可転用になってしまった
造成してから農地だったと分かり、
事後申請(かなり審査が厳しい) になってしまうケース。
● トラブル2:売買トラブル
買主が「農地だったとは知らなかった」と主張するケースも。
● トラブル3:計画が遅れる
地目を信じて進めた結果、途中で農業委員会に指摘され手続きがストップ。
■ 想定事例で解説
【ご相談例】
「地目は“雑種地”だが、畑として使っていた場所を資材置場にしたい」
【行政書士の対応】
- 現地確認
- 航空写真・利用状況の確認
- 農業委員会と事前協議
- 農地と判断される可能性を整理
- 計画に応じて必要な許可手続きを案内
【結果】
利用実態から農地と判断され、転用許可申請が必要に。
事前に相談いただいたことで、無許可転用を避けることができた。
■ 地目と現況は必ずチェックが必要
登記地目だけを見て判断するのは危険です。
特に、
- 資材置場にしたい
- 駐車場にしたい
- 建物を建てたい
という場合は、
現況確認を早い段階で行うこと が重要です。
■ お問い合わせ(メールでのご相談を推奨しています)
地目と現況の判断は、一般の方だと迷いやすいポイントです。
「自分の土地は農地扱いなのか?」という疑問があれば、まずはご相談ください。
内容を精査し、必要に応じて面談をご案内いたします。