外国人を雇用する際、よくあるご質問がこちら:
「この人は日本語が話せて接客もできるから、『技術・人文知識・国際業務』で雇えますか?」
あるいは、
「料理人なので『技能』ですか?」
実はこの2つの在留資格は、まったく性質が異なるもので、混同すると不許可の原因にもなりかねません。今回は、それぞれの特徴と判断のポイントをわかりやすく解説します。
1. 「技術・人文知識・国際業務」の特徴とは?
対象となる活動
- 専門的な技術・知識を必要とする事務系・理系の業務
- 主な例:
- 翻訳・通訳、語学指導
- 営業・企画・総務などの事務職
- ITエンジニア、機械設計など理工系技術者
- 貿易業務、海外取引窓口
ポイント
- 学歴または実務経験が必要
- 単純労働・肉体労働は不可
- 接客や清掃中心の業務では認められにくい
2. 「技能」の特徴とは?
対象となる活動
- 特別な経験や技術を要する 熟練技能職
- 主な例:
- すし職人、中華料理人
- 建築大工
- ソムリエ
- 宝石加工職人
ポイント
- 職人系の“手に職”に基づく在留資格
- 通常10年以上(調理師など一部は5年)の実務経験が必要
- 技術伝承型の雇用を前提とする
3. 比較一覧
| 項目 | 技術・人文知識・国際業務 | 技能 |
|---|---|---|
| 分類 | 事務・技術系(ホワイトカラー) | 職人系(ブルーカラー) |
| 必要条件 | 大卒 or 実務経験10年以上 | 熟練技能と経験(原則10年) |
| 対象業務 | 事務・IT・翻訳・通訳等 | 調理、工芸、建築等 |
| 接客中心業務 | × 不可 | × 不可(技能実習・特定技能で対応) |
4. よくある誤解
❌「接客があるから“国際業務”でいける」はNG
→ 接客は基本的に「単純労働」とみなされるため不可。
飲食業で接客中心の場合は「特定技能」などを検討する必要があります。
❌「調理経験がある=技能でいける」もNG
→ 調理師の技能資格や専門学校卒業だけでは足りないことも。
本国での職務経験の年数が重視されます。
5. 採用時の注意点
- 募集する職種内容と在留資格の整合性をチェック
- 「形式上は事務職だが実態は接客・清掃が中心」では不許可リスク大
- 職務内容は日本人が従事する場合と同等の専門性が求められる
6. 迷ったときは…
どちらの資格で申請すべきか迷う場合は、事前にしっかりと確認を。
行政書士は、
- 職務内容の分析
- 該当する在留資格の判断
- 適切な申請書類の作成
など、スムーズな申請をサポートいたします。
まとめ|「業務内容」と「本人の経験」を正しく理解することが第一歩
採用する企業も、働きたい外国人本人も、
「どの在留資格が該当するか」を最初に間違えると大きなタイムロスになります。
✅ 採用の前に、職務内容と在留資格の適合性を確認しましょう。
✅ わからないときは、専門家に相談して的確な申請を目指しましょう。
📌次回は『就労ビザなのにアルバイト?副業はOK?』をお届けします。


