【医療と法務|ALS 第3回】

ALSと延命治療――意思を「法的に」残すための選択肢

ALS(筋萎縮性側索硬化症)は、やがて呼吸機能が低下し、自発呼吸ができなくなる病気です。
このとき、選択を迫られるのが「人工呼吸器を装着するかどうか」という延命治療の問題です。


❖ 延命治療の選択は、本人の「意思」が何より重要

ALS患者の延命治療においては、

  • 人工呼吸器を装着して生きる選択
  • 装着せず自然の経過をたどる選択

どちらが正しい、間違っているということはありません。
**大切なのは「本人の意思」**です。

しかし、ALSは進行すると会話や筆記による意思表示が困難になります。
そのため、まだ意思表示ができるうちに、**「法的に有効な形で意思を残しておく」**ことが非常に重要です。


❖ 医療意思を残す主な方法

  1. 事前指示書(リビング・ウィル)
    • 自由形式で記述できますが、法的拘束力はありません
    • 家族や医療者への参考にはなるものの、判断を委ねるケースも
  2. 尊厳死宣言書(公正証書)
    • 「終末期に延命措置を希望しない」という意思を公正証書で明示
    • 医師2名の判断で「回復の見込みがない」とされた場合に発動
    • 家族の精神的・法的負担を大きく軽減できます
  3. 医療・介護に関する委任契約
    • 信頼する人に医療方針の決定を任せることも可能
    • 任意後見契約とあわせて利用されることもあります

❖ 法的手続きを行うメリット

  • 医療機関や家族が法的根拠に基づいて判断しやすくなる
  • 争いや不安が生じにくくなる
  • ご本人自身の意思と尊厳が守られる

ALSという疾患は、医学的な対応と同時に、法的支援が非常に有効に働くケースが多いのです。


🔑 ポイントまとめ

  • ALSと診断されたら、延命に関する方針を早期に検討
  • できれば、公正証書等で法的に明確化する
  • 一人で悩まず、専門家と一緒に準備を進めるのが安心です

🔗 このシリーズの投稿一覧はこちらから

▶️ 行政書士事務所FLW|医療と法務
https://asofficeflw.com/category/医療と法務

▶️ 長野県公正証書遺言作成サポート|医療と法務(想定事例中心)
https://will.asofficeflw.com/category/医療と法務

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です