【医療と法務|前立腺がん 第6回】
遺言の“やり直し”は可能?
~撤回と作り直しのポイントを知っておく~
がん治療中や療養生活の中で、家族の状況や気持ちが変化することはよくあります。
そのようなとき、**「以前に作成した遺言の内容を変えたい」**と思う方も少なくありません。
今回は、公正証書遺言を作成したあとで「内容を変更する」「新しく作り直す」場合の制度と手続きについて解説します。
❖ 遺言は「いつでも撤回・変更可能」
民法第1022条では、**「遺言者はいつでもその遺言の全部または一部を撤回することができる」**と定められています。
つまり、公正証書遺言であっても、本人が意思能力を有する限り、
自由にやり直すことができるのです。
❖ 具体的な手続き方法
✅ 1. 公正証書遺言の再作成
- すでにある遺言を撤回し、新たに公正証書遺言を作成します
- 前の内容と矛盾する部分は、新しい遺言が優先的に有効となります
- 公証人への「過去の遺言の撤回意思」も明記することで明確にしておくのがベストです
✅ 2. 撤回文書の作成(必要に応じて)
- 希望があれば、「前の遺言は撤回する」という意思表示のみの文書を別途作成し、公正証書にしておくことも可能です
❖ よくあるご相談
Q:何度も書き直しても問題ないですか?
➡ 問題ありません。最後に作成された有効な遺言が適用されます。
Q:古い遺言と新しい遺言が一部重なる場合は?
➡ 内容が矛盾する部分は新しい遺言が優先され、矛盾しない部分は両方が有効です。
Q:自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらが有効?
➡ 作成日が新しいものが優先されます。
ただし、公正証書遺言の方が形式の確実性が高く、トラブルになりにくい傾向があります。
❖ 注意すべき点
- 意思能力が必要:再作成には必ず本人の判断能力が必要です
- 記録の整理:古い遺言の写しや記録も整理しておくと、家族が混乱しにくくなります
- 作成の目的と理由を共有する:家族に気持ちを伝えておくとトラブル予防につながります
❖ まとめ|がん治療中だからこそ、柔軟な備えを
前立腺がんは比較的進行が緩やかで、心境の変化に向き合う時間があるがん種ともいえます。
そんな時期だからこそ、「今の気持ち」に合った形で遺言を見直すことが、
本人にとっても家族にとっても大きな安心になります。
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