【医療と法務|前立腺がん 第8回】

「見守り契約・任意後見・死後事務」

~がん療養に必要な3つの契約の違いと使い分け~


進行性の前立腺がんなど、長期療養を伴う疾患において、
本人の意思や財産を守るために活用できる法的手段がいくつかあります。

今回は、見守り契約・任意後見契約・死後事務委任契約という
「療養の前・中・後」を支える3つの契約について、違いと役割を整理します。


❖ 3つの契約の比較

契約名開始時期主な目的主な内容
見守り契約本人が元気なうちから安否確認・定期訪問面談・連絡・生活状況の把握など
任意後見契約判断能力が低下した時点で発効(家庭裁判所の監督付)財産管理・契約代理など医療費の支払いや施設手続き、行政対応
死後事務委任契約本人死亡後に効力死後の手続き・支払い・事務代行葬儀・埋葬・役所や病院への連絡・契約解約等

❖ それぞれの役割をイメージで整理

🧩 見守り契約

「今の生活を一人で維持するのが心配になってきた…」
→ 頻繁に連絡を取り、異変に早く気づけるようにする

🧩 任意後見契約

「もし認知症や体調悪化で判断できなくなったら…」
→ 財産や生活を他者に任せる仕組みをあらかじめ準備

🧩 死後事務委任契約

「亡くなった後の手続きや葬儀、誰にも頼めない」
→ 遺言とは別に、“事務的な対応”を担ってもらう契約


❖ がん患者の療養生活に活かすには?

進行性のがんと向き合う中では、次のような活用例があります:

  • 【初期段階】
     → 見守り契約で、生活の見守りと不安軽減
  • 【療養進行中】
     → 任意後見契約を発効させて、通院・支払いのサポート
  • 【終末期や死後】
     → 死後事務委任契約により、葬儀や手続きの確実な執行

❖ よくある誤解と注意点

  • 「後見制度を使えば死後のことも頼める」は誤りです。
     ➡ 後見は“生きている間”に限られる制度。死後事務は別契約が必要です
  • 「一つ契約すれば安心」は不十分なことも。
     ➡ それぞれの役割が違うため、組み合わせて活用することが効果的です。

❖ まとめ|一人でも「最後まで安心」を実現する方法

特に独居のがん患者にとって、
法的な契約で“信頼できる人”を支援体制に組み込むことが、
生活・療養・最期の場面までを安心して迎える土台になります。


🔗 このシリーズの投稿一覧はこちらから

▶️ 行政書士事務所FLW|医療と法務
https://asofficeflw.com/category/医療と法務

▶️ 長野県公正証書遺言作成サポート|医療と法務(想定事例中心)
https://will.asofficeflw.com/category/医療と法務

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です