【医療と法務|前立腺がん 第10回(最終回)】
「がん治療に備える法務」総まとめ
~遺言・信託・見守り契約の実践的な使い分け~
本シリーズでは、「進行性の前立腺がん」をテーマに、がん治療の経過に応じて必要となる
さまざまな法的制度を、事例と解説を交互に紹介してきました。
最終回では、これまでの投稿を振り返りながら、
がん患者とそのご家族にとって有効な法的備えを 時期別・目的別 に整理します。
❖ がんとともに生きる|時期別の法務支援の全体像
| 時期 | 想定される状況 | 活用できる制度 |
|---|---|---|
| 診断直後 | 家族と将来を考え始める | 公正証書遺言(初回作成)、任意後見契約(準備) |
| 治療中 | 通院・療養生活が継続 | 家族信託(柔軟な資産管理)、見守り契約 |
| 病状進行 | 施設入所・判断力低下の可能性 | 任意後見の発効、信託による代行、事前指示書 |
| 終末期 | 尊厳ある最期を希望 | 死後事務委任契約、公正証書遺言の見直し |
❖ 実践的な使い分け|制度別ポイント
✅ 公正証書遺言
- 死後の意思を明確に伝える
- 争続防止・遺産整理の中心となる
- 生前の信託・後見とは別に備えるべき基礎制度
✅ 家族信託
- 生前から財産を「使わせる」「守らせる」仕組み
- 体調が不安定な方の資産管理に有効
- 柔軟な設計が可能(ただし制度理解と契約内容が重要)
✅ 見守り契約・任意後見契約
- 早い段階で備え、必要時に発効できる仕組み
- 生活支援・判断補助の段階的対応が可能
- 認知症や体調変化への備えとして有効
✅ 死後事務委任契約
- 「遺言ではカバーできない事務処理」に対応
- 葬儀・役所・施設・銀行などの手続きを一任
- 相続人がいない・家族に負担をかけたくない人に最適
❖ この10回シリーズでお伝えしたかったこと
- がんとともに生きることは、法務のサポートを受けながら可能
- 制度の存在だけでなく、どう組み合わせるかが重要
- “その時”に備えるのではなく、“その前”に動くことが鍵
❖ ご家族・支援者の皆様へ
行政書士は、単なる書類作成の専門家ではなく、
医療や人生設計の現場で使える「法的な道具箱」を一緒に整える伴走者です。
「制度を知っていたからこそ、安心して治療に専念できた」
「もしものとき、家族が混乱せずに済んだ」
そう言っていただけるよう、引き続き【医療と法務】の視点から支援を続けてまいります。
🔗 このシリーズの投稿一覧はこちらから
▶️ 行政書士事務所FLW|医療と法務
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▶️ 長野県公正証書遺言作成サポート|医療と法務(想定事例中心)
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