【医療と法務|脳卒中 第7回】

死後事務委任契約とは?

~遺言では対応できない“死後の手続き”を託す仕組み~


これまでの投稿では、「判断力を失ったあとに備える制度」として
任意後見契約や財産管理委任契約などをご紹介してきました。

しかし、人が亡くなった後に必要な手続きについては、
それらの制度では対応できません。

今回は「死後の手続き」を支援してもらうための仕組み、
死後事務委任契約について詳しく解説します。


❖ 死後事務委任契約とは?

自分が亡くなった後の事務手続き(事務=お金のやりとり・届け出など)を、
信頼できる人に委任する契約です。

契約の内容は自由に設定でき、
行政手続きや支払いのほか、葬儀・納骨などの希望を具体的に託すことができます。


❖ 対象となる主な事務

  • 役所への死亡届提出
  • 健康保険・介護保険の資格喪失手続き
  • 公共料金や家賃の支払い・解約
  • 医療費・施設利用料の清算
  • 葬儀・火葬・納骨・永代供養などの手配
  • 親族・関係者への連絡・遺品整理の手配 など

➡ 「おひとりさま」や「身寄りの少ない方」だけでなく、
家族に負担をかけたくない方にとっても有効な契約です。


❖ 遺言との違い

比較項目遺言死後事務委任契約
目的相続・遺産分割死後の事務手続き全般
効力の発生死亡時から死亡後、委任者が行動開始
主な役割財産をどう分けるか誰が何を手続きするか
受任者相続人・遺言執行者信頼できる第三者(家族でも可)

両者を併用することで、「財産」と「生活」の両面に備えられます。


❖ 死後事務委任契約の作成手順

  1. 内容を設計
     支援者と契約する事務の範囲・内容を相談
  2. 公正証書で契約
     公証役場で正式に作成(任意後見契約と同時作成も可能)
  3. 報酬や費用の支払い方法も明記
     預託金や信託と組み合わせることもあります

❖ よくあるご相談

  • 「遺族が遠方に住んでおり、葬儀や手続きが心配」
  • 「死後の対応を一人に託すのが不安。分担できる?」
  • 「葬儀社・お寺などを自分で選んでおきたい」
  • 「死後事務の内容と費用を文書で明確にしておきたい」

➡ これらの不安は、契約設計によって明文化し、事前に準備することが可能です。


❖ まとめ|「最期まで自分らしく」を支える契約

死後の混乱や手続き不備は、残された人の負担につながります。
「亡くなったあとのことも自分で決めておきたい」という方には、
遺言とあわせて死後事務委任契約の作成をおすすめします。


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