成年後見制度の申立てを検討される方へ

― 行政書士がサポートできる範囲とご自身で行う手続きの流れ ―


1.成年後見制度とは

成年後見制度は、判断能力が十分でない方(認知症・知的障がい・精神障がいなど)の権利や財産を保護するために、
家庭裁判所が「成年後見人」などを選任し、日常生活を支える制度です。

本人の意思を尊重しつつ、契約・財産管理・役所手続きなどを代理・支援していくのが制度の目的です。


2.申立ての主体と申立先

成年後見制度の開始を申し立てられるのは、
本人・配偶者・4親等内の親族・検察官などです。

申立ては本人の住所地を管轄する家庭裁判所に行います。
この申立て手続きは、原則としてご本人やご家族が自ら行うことができます。


3.ご自身で成年後見の申立てを行う流れ

ステップ①|必要書類の準備

申立てには多くの書類が必要になります。
代表的なものとして次のような書類があります。

  • 申立書(家庭裁判所の定める様式)
  • 本人の戸籍謄本、住民票
  • 医師の診断書(後見制度専用様式)
  • 財産目録・収支予定表
  • 親族関係図
  • 後見人候補者の住民票や身分証明書 など

書類は管轄家庭裁判所ごとに指定内容が異なる場合がありますので、
事前に確認しておくことが大切です。

ステップ②|家庭裁判所への申立て

申立書類を家庭裁判所に提出します。
窓口での相談・予約が必要な場合もあります。

ステップ③|家庭裁判所による調査・審理

裁判所の調査官が本人や申立人から事情を聞き取り、
必要に応じて医師の鑑定が行われます。

ステップ④|審判と登記

家庭裁判所が後見開始を審判し、法務局で登記がなされます。
この登記により、成年後見人の権限が正式に発生します。


4.申立てにかかる期間の目安

手続きの段階内容期間の目安
書類準備各種証明書・診断書の取得、財産目録の整理2〜4週間
申立後の審理家庭裁判所での調査・鑑定・審判約1〜3か月
審判確定後登記・後見人就任約1週間

※鑑定が必要な場合や親族間の調整が長引く場合は、さらに時間がかかることもあります。


5.行政書士がサポートできる範囲

成年後見制度の申立ては、家庭裁判所への提出手続きであり、
最終的な判断や代理行為は裁判所・弁護士・司法書士の専門分野です。

行政書士が業務として関与できるのは、あくまで事前準備・資料整理・制度理解のサポートに限られます。

行政書士ができる支援内容の例:

  • 制度内容の説明(申立てに必要な一般的手続きの流れ)
  • 添付書類の一覧整理や取得方法のご案内
  • 財産目録や親族関係図の作成補助(依頼者の説明に基づく)
  • 申立書提出前の自己チェック支援(記載内容の形式確認)

※家庭裁判所への代理提出・審判請求・代理交渉は、行政書士の業務範囲外です。


6.専門家へ相談すべきタイミング

  • 医師の診断書の取得や財産状況の整理に不安がある
  • 申立て書類を整える時間が取れない
  • 親族間で意見が分かれている
  • 後見制度以外の選択肢(任意後見など)を検討したい

このような場合は、行政書士にまずご相談いただくと、
制度の概要や準備の方向性を整理することができます。
代理や法廷対応が必要な場合は、弁護士や司法書士など適切な専門家をご案内します。


7.まとめ|正確な準備が円滑な申立ての第一歩

成年後見制度は、本人の生活と財産を守るための大切な制度です。
申立てには多くの書類と時間が必要になりますが、
事前に流れを理解し、正確に準備することでスムーズに進められます。

行政書士は、制度理解と書類整理のサポートを通じて、
「ご自身で手続きを進めたい方」を丁寧に支援いたします。
制度の概要や準備の進め方でお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。

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