任意後見契約とは?将来の備えとして今からできる手続き|行政書士が解説


■ はじめに

高齢化が進むなかで、判断能力が低下したときの生活や財産管理をどうするかは、多くの方の共通の不安です。
「もしも認知症になったら」「入院が長引いたら」——
そんな将来への備えとして有効なのが、任意後見契約です。

ここでは、行政書士が制度のしくみと手続きの流れをわかりやすく解説します。


■ 1. 任意後見契約とは

任意後見契約とは、元気なうちに信頼できる人を後見人として選び、将来判断能力が低下したときに支援してもらうための契約です。
本人の意思であらかじめ契約を結び、将来に備える点が、法定後見制度との大きな違いです。

契約は公正証書で作成し、後見開始時には家庭裁判所の監督下で運用されます。


■ 2. 任意後見契約でできること

後見人(任意後見受任者)は、本人の判断能力が低下した後に

  • 預貯金の出し入れや支払い管理
  • 介護・医療の契約手続き
  • 年金・役所関係の届出
    などを代わりに行うことができます。

つまり、本人の生活と財産を守る仕組みとして機能します。


■ 3. 任意後見契約が発効するタイミング

契約を結んだだけでは後見は始まりません。
本人の判断能力が低下したとき、家庭裁判所に「任意後見監督人」を選任してもらうことで、契約が正式に効力を持ちます。
これにより、後見人による行為が法的に有効になります。


■ 4. 任意後見契約のメリット

項目内容
本人の意思を反映できる信頼できる人を自分で選べる
柔軟な内容設定が可能財産・介護・医療など個別に指定できる
早めに備えられる判断能力があるうちに準備可能
家族の負担を軽減手続きや支払いを一括で任せられる

■ 5. 注意点と実務上のポイント

  • 契約内容は公正証書で作成しなければ法的効力がありません。
  • 後見開始の際は、家庭裁判所に監督人選任の申立てが必要です。
  • 後見人には、身近な家族や行政書士など専門職を指定することも可能です。

任意後見契約は「契約内容」と「発動後の運用」の両方が重要になります。
不備があると、せっかくの契約が活かせなくなるため、専門家による作成が望ましい制度です。


■ 6. 行政書士のサポート内容

行政書士は、任意後見契約に関する

  • 契約内容の設計支援(生活・医療・財産管理の範囲)
  • 公証役場での契約書作成サポート
  • 見守り契約・財産管理契約との組み合わせ提案
    などを行います。

特に「いつ、どのように契約を発動させるのか」を明確にしておくことで、ご本人もご家族も安心して老後を迎える準備ができます。


■ まとめ

比較項目任意後見法定後見
開始時期判断能力があるうちに契約判断能力低下後に裁判所が開始
後見人の選定本人が自由に決定裁判所が選任
メリット本人の意思を尊重・柔軟に設定可能即時の保護が可能
行政書士の関与契約書作成支援、公証手続き書類作成支援(申立補助)

判断能力がある今だからこそできる「将来の安心準備」。
任意後見契約は、老後の生活を自分らしく守るための選択肢です。

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