遺言作成前に確認すべき“法的ポイント”
💡想定事例
須坂市に住む G さん(78 歳・女性)。
これまでに家族への気持ちを整理し、財産のリストアップも終えました。
いよいよ遺言内容を固めようとしたところ、
「どこまで自由に決めていいの?」
「法律で制限される部分ってあるの?」
という疑問が出てきました。
特に、長男には生前贈与を多くしており、長女への配慮も考えたい—。
そんな思いから“法的に押さえるべき点”を確認することにしました。
🔍 遺言作成では「自由」と「制限」の両方を理解することが大切
① 遺留分の存在
相続人には最低限保証される取り分=遺留分があります。
対象となるのは以下の相続人です。
- 配偶者
- 子(代襲相続人を含む)
- 直系尊属(子がいない場合)
👉 兄弟姉妹には遺留分はありません。
「特定の相続人に多く渡したい」という希望がある場合、
遺留分侵害額請求のリスクも考えておく必要があります。
② 生命保険金・死亡退職金・生前贈与との関係
遺言で分けたい財産は「遺産」に限られますが、
実際の相続では 遺産以外のお金 が大きく影響します。
- 生命保険金(受取人が指定されていれば“遺産ではない”)
- 死亡退職金
- 生前贈与(相続開始前の一定期間の贈与は“持ち戻し”対象になることも)
👉 「遺産」だけで公平に分けても、実質的な受け取り額に差が出る場合があります。
③ 不動産の共有は“トラブルの温床”
「自宅は子ども2人の共有でいいか」
と考えがちですが、実務上はデメリットが多いです。
- 売却・賃貸の度に“全員の同意”が必要
- 修繕費の負担割合で揉める
- 将来の相続で“共有者がさらに増える”
👉 不動産は「誰が引き継ぐか」を明確にする方が、後の紛争防止につながります。
④ 介護・扶養への寄与は法的評価が難しい
「長年介護してくれた子に多めに渡したい」
という希望はよくあります。
しかし、
- 寄与分の認定は相続発生後の話
- 遺言で反映させる場合は“理由を丁寧に書く”ことが重要
👉 感情ではなく“根拠として伝える”ことで、ほかの相続人も受け入れやすくなります。
🧭 行政書士からのひとこと
遺言は「自由に書ける」反面、
法律上の枠組みを理解せずに作ると、後で争いの火種になることがあります。
法律のポイントを押さえたうえで、
あなたの想いが“そのまま確実に届く形”に整えていく。
そのために、専門家と一度整理してみる価値があります。


