入院中・治療中でも公正証書遺言は作れるのか?
想定事例|「今は動けない…それでも遺言を作りたい」
Aさんは、治療の影響で体調の波があり、
「外出が難しい日」が増えていました。
公正証書遺言を作りたい気持ちはあるものの、
次のような不安を抱えていました。
- 公証役場まで行けない
- 長時間の手続きに耐えられるか不安
- 入院中でも対応してもらえるのか分からない
- 迷惑をかけてしまうのではないか
「元気になってから」と思う一方で、
“今のうちにしておいた方がいい”という思いも強くなっていきます。
結論|入院中・療養中でも作成は可能です
公正証書遺言は、
必ずしも公証役場まで行く必要はありません。
公証人が、病院やご自宅まで来てくれる「出張作成」という方法があります。
✅ 病室・自宅で作成可能
✅ 寝たままでも対応可(状況により)
✅ 医師の許可があれば作成できる
✅ ご家族の立ち会いも可能
※ただし、病院ごとに許可の取り方が異なるため、
事前に調整する必要があります。
大切なのは「意思能力」
公正証書遺言で最も大切なのは、
本人が「内容を理解して、自分の意思で話せる状態」かどうか
です。
病名や治療の内容そのものではなく、
- 会話が成り立つか
- 判断力が保たれているか
- 落ち着いて意思表示ができるか
が判断のポイントとなります。
医師の診断書や意見書が求められるケースもあり、
その点でも慎重な対応が必要です。
「今はまだ大丈夫」が、一番危ない
多くの方が、こうおっしゃいます。
「まだ元気だから…」
「もう少し様子を見てから…」
しかし、治療の状況は突然変化することもあります。
状態が急変してしまうと、
- 公証人が来られない
- 意思能力が確認できない
- 遺言が作れなくなる
というケースも、残念ながら珍しくありません。
「残しておく」のではなく「安心を手に入れる」
Aさんは、こう語っています。
「体のことより、気持ちの方が楽になりました。
もしもの時に、家族に迷惑をかけないと思えるだけで、
治療にも前向きになれた気がします。」
遺言は、家族のためだけではなく、
ご本人が安心して治療と向き合うための支えにもなります。
医療に理解のある行政書士として
私は、医師ではありませんが、
医療現場の声に触れる中で、治療と生活の両立に悩む方や、
ご家族を思う深い気持ちに、数多く出会ってきました。
だからこそ、
「法律の話だけ」ではなく、
「お気持ちにも目を向けたサポート」を
大切にしたいと考えています。

